三佳:大豆の研究をしようと思ったきっかけって何ですか?
本間さん:そうだね〜、農家に生まれたことがきっかけだね。畑が好きでねぇ〜、最近は、毎朝3時30分には畑に行かないと気がすまないんだよ。
三佳:朝3時30分ですかぁ。冬は寒いのに大変ですね。主にどんな農作物を作られてるんですか?
本間さん:野菜でも何でも作ってるよ!!トラクターから機械まで全部揃っているからね。体が農業に染まっているんだよ(笑)。
三佳:自分で作った農作物の味は最高でしょうね!!ところで、本間1号という大豆を開発されていますが、その研究には色々な苦労があったでしょうね。
本間さん:研究は趣味の域で、好きでやっていることだから苦労は特には感じなかったよ。世界にたったひとつしかない自分のオリジナルを作りたい一心だったんだ。完成したときは、うれしかったよ。
三佳:豆に自分の名前が付くなんて、星みたいですね。なんだか素敵です。
本間さん:本間1号は、種からこの豆の特性を判断し、最適な気候と場所、適した栽培方法を組み合わせるなどの試行錯誤を8年繰り返して、平成10年に完成した品種なんだよ。
三佳:8年もかかったんですか。
本間さん:そうなんだ。この本間1号は、「くらかけ」という品種の豆を一握り頂いて研究して作ったもので、1年に1回しか交配ができないので、完璧な物になるまで交配を繰り返すために、完成までに8年もかかったんだよ。
三佳:そうだったんですか。8年かけて完成した本間1号は自分の子供のようにかわいいでしょうね。
本間さん:この本間1号の食味はね、ぽっくりとした味わいで、栗味と呼ばれる甘味の強い豆なんだよ。納豆にすると甘味というより風味が豊かになるということかな。食感がはっきりとしていて個性が強いのが特徴だね。
三佳:本間1号で作られた納豆は、幻の納豆と呼ばれていますが、幻と言われているのはどうしてなんですか?
本間さん:どんな豆を育種しようかと考えている頃、夢枕に見た大豆が本間1号なんだよ。本間1号は「くらかけ」という品種の豆で作っているというのはさっき言ったけど、「くらかけ」という品種の青い豆は北海道にはなかったんだ。でも、僕が作った本間1号は、肉が青く、真中が黒で表皮が青という特徴を備えているんだ!!豆の形は扁平型で、この特徴と形の豆は世界に一つしかないんだろうね。
三佳:青黒の大豆なんて見たことありません。まさに、本間1号は幻なんですね。三佳も本間1号で作られた納豆を食べてみたいです!!なんだかおいしそうですね。
本間さん:本当に美味しい豆を作ろうと理想を追い続け、研究してきた物がこの本間1号なんだ。これからの課題は、この本間1号を品種として固定させることなんだ。
三佳:もうひとつの豆、本間2号はどのような豆なんですか?
本間さん:本間2号は赤茶の大豆で、肉は黄色、表皮は茶褐色という特徴があるんだ。枝豆の仲間でね、本間1号と同様に食味がかなり良い品種なんだよ。
三佳:本間2号もぽっくりとして栗味の甘味がするんですね。
本間さん:そうそう、ぽっくりとしてるんだ。でも納豆にするとね、本間1号とも違う独特の風味がし、ねっとりとした奥が深い味わいになるんだよ。
三佳:本間1号は完成までに8年かかりましたが、本間2号は何年くらいかかったんですか?
本間さん:本間2号は研究に6年費やしたね。この品種はね、虫に弱く、栽培が難しいので、収穫量も少なくなり、品質にバラツキがあるため選抜育種という栽培方法で栽培したんだ。
三佳:選抜育種とはどういった方法ですか?
本間さん:一株に一番いいものだけを残しながら品質を固定していくというやり方なんだよ。
三佳:へぇ〜なるほど。豆を開発するって大変なんですね。豆を作るにあたって『こんなものを作ろう』といったこだわりはあるんですか?
本間さん:収穫量にはこだわらず、個性があり旨味があるものを作ることがこだわりだね。おいしい豆を作るために、育種の研究者で集まって大豆の理想を話し合ったりもするんだよ。それから、農家に行って大豆づくりを教えることもするんだ。
三佳:農家の人に大豆作りを教えるなんて、本間さんはまるで農業技術者のようですね。
本間さん:農家の人は、大豆を作ることは知っているけれども、大豆の適性を知らない人が少なくないんだ。だから、大豆には最適な水分量があることや、豆は乾燥しすぎるとよくないことなど大豆の適性を教えてあげるんだよ。
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