香織:三上さんが会長としてやりたいことはなんでしょう?
三上さん:日本の大豆の自給率をもっともっと上げたいんです。例えば国産大豆は現在60キロあたり4〜5千円です。それに対して輸入大豆は60キロあたり2〜3千円とかなり安く手に入ってしまうんです。国産大豆は、種代、肥料代、人件費、機械代などを考えると本当は2万円は最低かかる計算になるんです。
香織:大豆には国庫から補助金が出ると聞きましたが?
三上さん:大豆を作るのに産地作り交付金という補助金が出ています。10アール(300坪)あたり3万円なんですが、この金額は農地をまとめると増えてきます。つまり自分の畑だけでなく、まわりの人たちも集まって大きなひとまとまりで作付けすることを国も望んでいるわけですね。
香織:そんな制度になっていたんですね。
三上さん:また、1俵につき国から大豆交付金が8千円支給されます。
それでもやっと10アールあたり3俵収穫できるとして約7〜8万円。経費が約5万円なので利益にすると2〜3万円ということになります。それが米だと4〜5万円になるんです。米や大豆を一所懸命作っても10アールあたりたった数万円の利益にしかならないんです。でも生産者は値段は決められないので、市場の原理には逆らえないんです。
香織:なかなか大変ですね。昨年は大豆が足りないとかなり騒がれたようですが。
三上さん:平成16年は国産大豆の価格が高騰してしまいましたね。これは台風や長雨の天災のため大豆がほとんどが使えない状況になってしまったことが原因なんです。私達の相手は土であり、太陽です。こればっかりは自然が相手なので私達の力ではどうしようもないことです。
香織:なるほど。それで大豆の生産量が減ってしまったんですね。
三上さん:またこの年は豆乳の需要が増えたため、豆腐などその他にあまり回らなかったということもあります。やっぱり買う側は安く買いたい、売る側(農家)は高く売りたいというのが本音ですし、需要と供給のバランスで値段が決まってきますからね。
香織:最近米食は減少傾向にあるようですね?
三上さん:そう、これは我々農家にとっては大きな問題です。ご飯を食べていたのがパンになり、ファーストフードを食べる若い人たちもずいぶん増えました。この傾向を良くする方向に持っていくには国をあげての食農教育が必要なんです。
香織:確かにファーストフードを食べることが我々の年代ではとても多いと思います。
三上さん:日本の食の文化というのはイコール米なんです。米の需要が減ると他の農産物の需要も当然減ってきます。
米と他の農産物との連携がないと総需要は増えないということです。農産物業界がそれぞれ単独で需要を増やそうと努力をしても理想の国産の需要増の形にはなかなかなりませんからもっと横のつながりも欲しいですね。
今は日本の食糧自給率はカロリーベースで約40%、穀物自給率は重量ベースで2000年は28%しかないんです。米はどうにか100%あるんですが、もし日本が輸入出来なくなったとしたら大変な事態ですよね。だから少なくとも自給率は60%くらいにはしたいところです。
香織:自給率ってすごく大きな問題なんですね。ところで農家としての三上さんはどのくらいの生産をされているのですか?
三上さん:そうきましたか。個人の面積で水田は13ヘクタールそのうち米が8ヘクタール、その他は大豆などを作っています。
畑も13ヘクタールで長芋1、5ヘクタール、にんにく1、5ヘクタール、ごぼう1ヘクタール、残りは次の年用に残してあります。
組合用の面積としては大豆が55ヘクタール、そばが20ヘクタールといったところかなぁ。
香織:へぇー!そんなにたくさん作ってらっしゃるんですか!
三上さん:長芋は10アールあたり30万円、にんにくは60〜70万円くらいの利益になるんです。しかし価格の上下がとても激しいので安定しないところがちょっとつらいところです。
香織:大豆より利益があるんですね。三上さんは家族全員で農家をやっていらっしゃるんですか?
三上さん:いえ、私の父は農作物の加工会社をやっているんです。うちで取れた農作物を中心に他からも請け負って頑張っています。年商も数億円になっているようです。
香織:ところで三上さんの趣味はなんでしょうか?
三上さん:クロスカントリーで全国大会にも出たことがあるんです。今はさすがにとてもきついスポーツなのでやっていないんですが。
青森は冬場は雪がかなり積もって農業ができないので、スキーやスノーモービルなどをやっていますよ。
でも去年は冬場に会議が多かったので、新しく買ったウエアや板は1、2回しか使えなかったんですよ。
香織:それは残念でしたね。せっかくの新品ですから私が代わりに使ってあげてもいいんですが、とても大きすぎてダメですよね(笑) ところで三上さんはドイツに農業の勉強に留学されていたことがあるそうですね?
三上さん:えっ!よく知っていますね。そんなこと言ったのはどこのドイツだ!なんてね(笑)。そうなんです。わたしが20歳くらいの若かりし頃、ドイツに一年間農業の勉強のため留学していたんです。
香織:農業の勉強で留学ですか。すばらしいですね。そういう貴重な経験が今の三上さんのエネルギッシュなご活躍の礎になっているんでしょうね。
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