彩乃:農林水産省は日本の食品流通の要ですが食品産業振興課では主にどのようなお仕事をされているのですか?
中村さん:課の名前の通り、食品産業の振興のための仕事をしていますが、その内容は大きく3つに区分できます。1つは食料の安定供給とそのための原料農産物の安定確保を図ること。この場合、国内生産と海外からの輸入をバランスよく組み合わせることが大切です。2つめは外食を含む食品産業の動向を常に把握し、必要な対応を図ること。食品産業振興課が所管する業界の団体は105を数えます。3つめが加工食品に対する消費者の信頼の確保です。今、食品の表示に消費者の大きな関心が寄せられています。
彩乃:3つめにありました表示というのはどのような事をされているのですか?
中村さん:今話題になっているものでは遺伝子組換食品の表示に関してのものですね。これは世界的に見ても大変話題になっていることです。
彩乃:私も新聞やテレビなどで色々と耳にします。
中村さん:遺伝子組換に関しても表示の仕方は3つに分けることが出来ます。1つはアメリカ式。アメリカでは遺伝子組換食品に関して安全な物だという認識が強く、安全なものに変わりはないとして表示はあえてされていません。2つめはヨーロッパ式。こちらでは厳密に科学的に調べたのもを表示しています。そして3つめは日本式。日本式では遺伝子組換の物とそうでないものとを分別していないものを、不分別。遺伝子組換の物を使っているものは、使用と必ず表示しなくてはいけません。厳密に分別している物は表示をしてもしなくても安全なものに変りはないとして表示はしなくてもいいのですがが、任意で「組換えでない」と表示することが出来ます。
彩乃:分別というのはIPハンドリングを行っているということですよね。ヨーロッパ式の科学的に調べるのとではどう違うのですか。
中村さん:大きく言い分ければ日本はIPハンドリングにおける社会的検証、ヨーロッパは科学的検証と言えます。日本では大豆の需要の大半をアメリカから輸入しているんですが、その割合は日本の需要の90%以上を占めているんです。ですから科学的検証ではそのコストや時間の負担が大きく流通に大きな影響を与えてしまいます。その為日本ではこのシステムが採用されているんですよ。
彩乃:IPハンドリングはどうして社会的検証に区分されるのですか?
中村さん:IPハンドリングとは証明のリレー方式のような物なんです。人々の信頼関係から成り立っているといってもいいかもしれませんね。まず、農家、もしくは農家を指導している人が遺伝子組換をしていない物を作っているという証明書を発行します。その後遺伝子組換をしていないものを専用のトラックで輸送します。同様に各段階ごとに証明書を発行しながら、カントリーエレベーター、リバーサイドエレベーター・エクスポートエレベーターという具合に運ばれ、そしてパナマ運河を航行できる最大サイズのパナマックス級の船によって日本に遺伝子組換ではない大豆が運ばれてくるのです。もちろん日本についてから輸入商社から各小売店に運ばれる時も同じように証明書が発行されていきます。
彩乃:すごーい。大変な作業ですね!!そんなにたくさんあると証明書だけでも何百枚にもなってしまいそうですね!!
中村さん:はい。しかもそれだけではないんですよ。その証明書は必要な場合に備えて2年間保存されるんです。
彩乃:この話を聞いているともしかしたら遺伝子組み換えの物かも、という不安がふきとんでしまいますね。
中村さん:表示に関してはこの他に加工食品の品質表示に基づいて、必要な情報は一括して表示するという事が決められています。
彩乃:情報というのは品名や原材料、賞味期限の様な物ですよね。今でもそのような表示は一括して表示されていますが何か違うのですか?
中村さん:制度上すべての加工食品が表示の対象になったことですね。変わった点としては特徴のある商品に関しての表示なんです。例えば国産や有機に関してですね。
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