理恵:うわー厳しいですね・・ それからどーしたんですか?
南都さん:さすがにこのままではキケンだ、と思って、まず経験者である同業者の納豆屋さんやお豆腐屋さんを訪ねることにしたんだ。
理恵:経験者を訪ねれば、何かいい方法が見つかりそうですものね。
南都さん:でも結果は同じで、「やめたほうがいい」とか「流行らないよ」なんて言われたよ。
理恵:大変な苦労があったんですね。
南都さん:ところがたまたま飛び込んだ埼玉のあるお豆腐屋さんA(有名なので名前はヒミツ)から、若いのに貴重な人材だって思わぬ大歓迎を受けてさ、「一体どんな納豆を売っていきたいのか」って聞かれたから、「大手メーカーが100円ならうちは90円で売るつもりで、やっぱり低価格でコストをおさえるために材料の品質も落としている」ということを言ったんだ。
理恵:コストを抑える為だからといって、品質まで落としちゃ売れないんじゃないですか?
南都さん:そしたらね、その豆腐屋さんに、「うちの豆腐は1丁500円だ。他と比べて高くても売れに売れているんだ。それだけの価値があれば、お客さんは買ってくださるんだ。」って言われちゃいましたよ。その時は、いまひとつ理解できなかったんだけど、「それならうちの材料で作ってみなさい、売ってあげるから!」って言われて、言われるがままやってみたらこれが売れまくったんだ。
理恵:へえー、すごいじゃないですか。
南都さん:当時70万だった月商がいきなり200万になったんだ!そこで僕は「いいものを使えばお客さんはちゃんと買ってくれるんだ」って初めて理解したんだ。
理恵:最近の人たちは味の肥えている人も多いし、いい素材のものを使うことが大切なんですね。
南都さん:そうなんだよ。それからね、「売るお店のターゲットを小売店から一流デパートに変えろ」ってアドバイスされて、自信のないまま、びびりながらも一流デパートに足を運んだんだよ。
理恵:びびりながらも、だなんて、こんな立派な南都さんからは想像できませんよ。
南都さん:ハッ、ハッハアー。そしてなんと、あの「三越日本橋店」に持ちこんだんだ!門前払いを覚悟で行ったんだけど、そこでは「良くぞ来てくれた」なんて、予想もしなかった歓迎を受けてさ、早速翌日から商品仕入れの契約を交わしたんだ。
理恵:すごいじゃありませんか!!やってみるもんですね。
南都さん:で、さらに伊勢丹でも同じ待遇を受けて、そこで初めてその豆腐屋Aさんがデパート側に事前に頼み込んでいてくれていたことや、僕に自信をつけるため、今まで「売れた」と言っていた納豆もすべてAさんが買い取っていてくれたことを知ったんだ。
理恵:へぇーーっ、すごい根回しですね。
南都さん:僕もびっくりしたよ。で早速、Aさんにお礼を言いに行くと、Aさんも昔、こんな風に師匠に助けられて、『これから先に、若くて困っている人が現れたら、同じように助けてあげること、それが自分への恩返しでもある』と言われたそうなんだ。
理恵:そこに現れた困っている人が、南都さんだったんですね。
南都さん:そしてAさんに、「今回のことは師匠への恩返しでもあるし、これから先にまたそのようなことがあったら、こんどは君が同じように助けてあげてほしい」って言われたんだ。
理恵:下仁田納豆の始まりには、こんな感動の秘話があったんですね。
南都さん:それから下仁田納豆は、口コミでじわじわと広がって、今では多くの雑誌やテレビでも取り上げられるようになったんだよ。
理恵:下仁田納豆バンザーイって感じですね。
南都さん:Aさんには本当に感謝しているよ。いまの下仁田納豆があるのも「人と人とのつながりのおかげ」なんだってことを強く実感させられたからね。だから、それ以来、人とのつながりは今まで以上に大切にしているよ。
理恵:人とのつながりってホントに大切なんですね!!理恵も人との出会いを大切にしていきたいと思います。
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