■準備■
第1次審査の準備風景はどんな風になっているのかな? →
部屋に入るとまずその空気の冷たさに驚かされました。 窓を全開にし、仙台の冷たい空気を入れ、味が変わらぬよう、納豆をよい状態に保つために部屋の温度は低くしてありました。窓からの壮大な山々に感激する間もなく寒さに身を縮めてしまいました。まるで大きな冷蔵室のようです。 そして部屋の広さにも驚かされました。広めに間隔を開けて、長机が左右に5台づつ。白いテーブルクロスの上には白い蓋をした白いお皿が並べられていて準備万端です。机と机の間にはティッシュ、ペットボトルに入った水、紙コップ、ウエットティッシュなどが2つのテーブルに置かれていました。審査員がより審査し易いような配慮なのでしょう。
今回はエントリー129社、実出品124社。北は北海道、南は鹿児島の納豆屋さんからの出品で本当に全国からくまなく参加されていました。鑑評会には各社1点だけの出品に限られており『小粒・極小部門』、『中粒・大粒部門』のどちらに出すかは自由。でもなぜか毎年半々の出品になるそうです。不思議ですね。
←納豆は白い紙皿の上にのっています。番号を下にして右が納豆の表、左が納豆の裏という約束事があるようです。ある委員の方が言ってました。 「どっちが表かわからなくなるだろ、だからとっておきの覚え方があるんだよ。」 「えっどんな風におぼえるのですか?」 「“みぎおもてやまねこ”と言うんだよ」 アハ! 上面を見ることによって大豆の大きさやつやなどがはっきりわかるように、下面を見ることによって発酵状態がよりわかるようにという理由からでした。このようなことは実際にその場に行ってみないとわからないことですよね。 かなり細かいところまで審査対象になるのですね!さすが全国納豆鑑評会です。 また先入観を除くために、お皿の上には会社名ではなく、番号がふられていているのでまったく誰にもどこのものだかわからなくなっています。
☆9時から第1時審査の開始です☆
■第1次審査開始■ →第1次審査の開始です。審査員の皆様は本当にそうそうたる面々でした。全国納豆協同組合連合会会長である高星さん、ナットウキナーゼを発見し納豆博士として有名な須見先生を始め、関係官庁や全納連関係者の皆様、26名様が審査にあたられました。 小粒・極小粒部門、中粒・大粒部門の2部門にそれぞれ半数づつ審査員の方々が審査にあたられました。
審査員の方々は60品以上もの納豆を全て審査し、形状や色合い、糸の引き具合、香りや食感などを総合的に判断して5点満点の整数で評価点を与えます。
これは本当に大変な審査ですよね、10粒づつ食べても600粒も食べなくてはならないし、それぞれ味や食感をみるためによく噛みしめなくてはいけません。その他糸引き見るために箸で納豆を上下左右に動かしてみたり、のばしてみて光にかざしてみたりなど・・・想像以上に色々な見方をされています。
皆さんとても真剣なまなざしで審査していました。審査中は審査員の方々の邪魔をしてはいけないのはもちろんのことですが、審査室の空気はそんなことを考える余裕のないほど張り詰めた雰囲気です。 室内には沢山の新聞社やテレビ局の方々もいらっしゃってました。これほど納豆鑑評会が色々な方に注目されるということは納豆業界にとってとっても喜ばしいことですね。 9時45分過ぎぐらいから審査を終えられた方々が次々と退室され、第1次審査が10時に終了しました。
審査が終わった納豆は全て捨ててしまうそうです。あーもったいないー、私全部いただいて帰ってもいいですよーと思いつつも、第2次審査でより形や醗酵状態を公平に審査するためには必要なことだと涙を飲みました(笑)
☆第1次審査後、プレスルームにて☆
今回の出品内容に関して、納豆の出来具合などの発表が第1次審査後にありました
◇全国納豆協同組合連合会 専務理事 黒田敏昭さん◇ 今年の納豆は全体的に本当に向上していて選考がとても難しいものでした。評価もとても僅差でどこも頑張ってきているなと感じるものがあり、評価は食感、出来具合、糸引き、香りなどの総合点でつけました。大豆本来の食感が感じ取れるようなものが良いとされ、出来具合では白く粉が吹いているものが高く評価されていました。ベチョベチョしたものはだめですね。糸引きでは強くこしのあるものが、そして香りは納豆本来の香りがふんわり漂ってくるようなものに高い評価が与えられていたようです。
◇株式会社IMP 代表取締役 一美哲夫さん◇ 最近ではライト感覚の納豆、つまりうすい香りで、糸引きの弱い納豆が消費者にうけており、また納豆の安売りの影響で消費量は伸びてきています。このような安売りの時代ではあまり評価の高い納豆を製造することは難しいのですが、その中で少量を丁寧に扱い、作られている納豆らしい納豆も高く評価されてきていることも確かです。このように消費者が値段だけではなく美味しさを求めている現状があるからこそ、今回出品された方々のようにすばらしい納豆が沢山作られているのではないでしょうか。これからもきちんと納豆屋のポリシーを持った納豆を作り続けていってほしいですね。
☆2次審査開始です☆
■第2次審査へ■ 第2次審査は少し時間が遅れての開始になりました。今年は香りや味の改善がすばらしく、甲乙つけがたいほどの接近戦になったためだそうです。
第2次審査に残ったのは各部門19品。第1次審査では審査員が半々に分かれましたが、この第2次審査では審査員の方々全員が全品、つまり38品を審査します。こうすることで最優秀賞である農林水産大臣賞が公平に選ばれるのです。
第2次審査ではより審査員の方々の空気が張り詰めてきます。審査の仕方もみな個性的で糸引きでは、箸で一粒の納豆をつまみグルグルとまわす方もいれば、何粒もとって上下に伸ばしてみたり、落下する納豆の速度で糸引きの強さを見ている方もいました。
食べ方では爪楊枝に一粒一粒さして召し上がる方もいれば、10粒くらいをほおばる方もいました。
このような厳しい審査をくぐりぬけた納豆はいったいどのようなものなんだろうと考えると、わくわくしてきてしまいます。 審査時間は予定より少し長くなっているようです。本当に今年はすばらしい納豆がいっぱいのようです。
基本的には第2次審査で全てが終了なのですが、毎年同点になってしまい、第3次審査が行われているようです。今年は2点が同点となり第3次審査に持ち込まれたようです。そろそろ審査発表が行われます。いったいどこの、どこのどんな納豆が栄えある農林水産大臣賞を射止めるのでしょうか!!
☆ついに発表です、緊張の一瞬ですよっ☆
■講評■
→全国納豆共同組合連合会会長 高星進一さん
今年の納豆は優劣をつげがたいほど品質の向上が目立ちました。この全国納豆鑑評会は納豆の品質の向上を目指して行われているのもだがその成果が目に見えて大きな効果を出していることが切に感じ取れました。食品業界では最近伸び悩みの中、マスコミやテレビの報道で健康食品としても納豆を知っていただけたお陰で、納豆業界に追い風を受けることが出来て本当に嬉しい限りです。
←倉敷芸術科学大学産業科学技術学部教授 須見洋行さん
納豆の人気が近年出てきたことは本当に嬉しい限りです。 しかしなぜこんなに売れているのか?それは多分、近年信頼できない食品が増えてきている中、江戸時代から安心して食べられる食品として、そして健康食品としてまた美容食品としても納豆が信頼できる食品として認められてきたからではないかと思います。 日本食を食べなくなってきている中、伝統的な日本食である納豆の消費が増えてきたことは本当に嬉しいことです。
→食文化研究所 オーナー 永山久夫さん
今回審査員として沢山の納豆を食べましたが本当に納豆の質が向上してきていると感じました。江戸時代からのインスタント食品である納豆と豆腐は伝統的にみても、安心してそして安く食べられる健康食品です。 21世紀は人類が健康を求める時代になってくると思います。これから伸びていくのは長生き産業です。つまり納豆なんです。納豆はナットウキナーゼやイソフラボン、レシチンなどを多く含みこんなに安くていいのだろうかと思うほど優れた食品です。年をとる前に健康管理をしっかりし、不良資産はためないようほにしていってほしいものですね。これからは健康を選び、考える時代になります。もっともっと納豆を食べて健康になりましょう。
■発表■ 受賞した作品の結果がくるのをプレスの部屋で待つ気分はまるで大学受験の合格発表を待つような感じです(私は出品してないのに!!) ついに発表です。農林水産大臣賞を受賞されたのは栃木県こいしや食品さんの『なっとう村』!!ざわめき始めたプレス室の中では次々と受賞されたメーカーさんが発表されました。 驚いたことに受賞された9社のうち何と6社が2度目か3度目の受賞です!!日々の努力がこのような形で結びついたのでしょうね!!逆にこの強豪の中、初めて受賞された方々は本当にすばらしいですね!椎名彩乃
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