−納豆は、食を彩る 主人公− >


第21回気仙沼大会《ダイジェスト版》
宮城県気仙沼市に194点が大集結。
第21回審査結果
日本一は愛知県の山下食品さん。

No90 20th鑑評会当日。早食い大会、納豆食堂、ねば〜る君!
No89 20th鑑評会前日。偕楽園に水戸黄門像。納豆記念碑にねばり丼。
No70 世界最小の納豆屋
毎日12個は至高の12個

No.164 ショートケーキ風ミニタルト
カラフルで可愛く出来ました☆
No.133 生ハムと黒豆のカナッペ
黒豆納豆が見事にマッチ!
No.117 シュー納豆
ブルーベリーと黒豆が絶妙☆













納豆文化村インタビュー
倉敷芸術科学大学
産業科学技術学部 学部長
生命化学科 教授 須見洋行さん

インタビュアー:石井由美

今日は納豆を素晴らしい食品として一躍有名にした、血栓溶解酵素ナットウキナーゼを発見した須見洋行さんをお訪ねしました。

須見1由美:早速、須見さんが発見されたナットウキナーゼについて伺いたいのですが、どのような研究からナットウキナーゼを発見するに至ったのですか?未知の物を発見するということはどんな難しい研究をするよりも大変なことだと思うのですが・・・

須見さん:とても偶然だったのです。私は1978年から血栓の研究をする為にシカゴ大学医学部の血液研究所へ行ったんです。血栓を溶かす酵素を研究する大家がいる、マイケルリースリサーチファウンデーションという所ですが、そこで2年間研究をしました。その頃は住んでいる場所周辺はとても治安が悪かったですし、これまた評判の悪い地下鉄で毎日大学まで通っていました。でも研究に没頭できて、とても楽しい時でもありました。

由美:血栓ということは納豆とは全く関係のない研究をされていたのですね。日本食はアメリカでもよく食べられていたのですか?

須見さん:そうでもなかったですね。でもある日、なんだか無性に納豆が食べたくなりましてね、近くのお店に買いに行ったんですよ。でもネギがなかったのでベランダに置いておいた玉ねぎの発芽している部分を数cm切って、それを刻んでネギの変わりにしたんです。

由美:すごい発想の転換(笑)でもネギと同じような味がしそうですね。でもそのことがどうしてナットウキナーゼの発見に結びつくのですか?

由美1 須見さん:納豆を食べたその時、ふとひらめいたんです。血栓はタンパクで出来ている。大豆のタンパクを溶かす納豆菌は血栓のタンパクも溶かすのではないかと思い、アルミホイールに包んで、次の日研究室へ持って行ったんです。シャーレに人工的に血栓を作り、その上に納豆を乗せたところ、見事に血栓を溶かしたんですね。当時研究していた血栓溶解酵素では午後3時に実験を開始し、翌朝9時に血栓溶解酵素の周り約1cmくらいが溶けるんです。それが納豆の場合は午後3時にシャーレの真ん中に納豆を置いて、5時にさあ帰ろうと思ってシャーレを見ると、1cm以上溶けてるではないですか。これはすごいと思い翌朝9時に見ると、シャーレ全面が溶けていたんです。これは大発見!すごいテーマが見つかったと思いましたね。その後日本に帰り、いろいろとまとめて、1986年日本農芸化学会で納豆が血栓を溶かすことを発表したんです。それがNHKでも紹介されたんです。

由美:その発見が納豆ブームの火付け役となったのですね!!血栓を溶解するという点ではすでに多くの方に知られているイソフラボンもよく耳にしますがイソフラボンとは効果は異なってくるのでしょうか?

須見さん:どちらかというとイソフラボンはナットウキナーゼとの相乗効果で血栓を予防するという風にいえます。イソフラボンは血栓を溶かすというよりも、血栓を作るもととなる血小板の凝集を抑える強い効果を持っています。しかし血小板を抑制するだけでは本当の血栓予防という点では不十分です。ナットウキナーゼは血栓を溶かす強力な溶解能力を持っていますのでイソフラボンとともに作用することでより血栓を溶解する力を高めていく事が出来ます。

由美:本当にナットウキナーゼというのはすごい効果がある菌なのですね。でも強力というのはどの程度強力な菌なのですか?比較するものがないとなんとなく感じが掴めないのですが・・・。

須見さん:イエイエ違いますよ。ナットウキナーゼは酵素なんですよ。菌とはまた違うものなんです。ナットウキナーゼが強力と称することが出来るのはその安定性と効力、そして効力の持続性についてだということが出来ます。

由美:わぁ、たくさんありますね。

須見さん:はい。まずは安定性から。体内にはさまざまな消化液が分泌されることはご存知だと思います。酵素も当然のことながらその消化液で破壊されてしまうものがほとんどです。しかしナットウキナーゼは体内にある様々な消化液にも破壊されないという素晴らしい酵素なんです。強酸性である胃酸にもアルカリ性である腸内でも元気に働いてくれます。

須見さん2 由美:すごいですね、納豆が体にいいというのはこういう点からも分かってくるような感じがしてきます。ナットウキナーゼは体内の隅々まで元気にさせてくれるのですね。

須見さん:はい。でも食べる前に壊れてしまうことはあるんです。

由美:えっ、それはどういうことですか?

須見さん:ナットウキナーゼは熱に弱いという性質があるんです。ですから納豆チャーハンなどで納豆自体に直接強い熱を加えてしまうと体内に入る前に壊れる事もあるんです。

由美:それでは納豆をそのまま頂くのが一番良いということなんですね。良かった!!私は普通にご飯にかけて食べるのが好きだから特に心配は要らないです。でも本当に納豆ってすごいですね☆

須見さん:こんなことで驚いていてはいけません。効果についても、血栓溶解の注射薬が4〜20分程の持続性であるのに対して、「ナットウキナーゼ」は4時間後に効果が最大となり、その後6〜8時間は効果が持続することが判っています。特に夜食べることによってその効果を最大限に生かすことが出来ます。

由美:すごーい!!本当にびっくりです。その効果は納豆に限ったものなのでしょうか?nattokinaseという名前のとおり納豆の中にしかナットウキナーゼは存在しないのですか?

由美2 須見さん:ナットウキナーゼは納豆菌が大豆を発酵分解するときに作り出されるネバネバ成分の中にある酵素です。ナットウキナーゼ自体は世界で唯一、納豆の中にだけ含まれている血栓溶解酵素です。

由美:須見先生はこれまで多くの食品で血栓溶解について研究されていますが、ナットウキナーゼをこれほど賞賛すると言うことは納豆以上の溶解酵素はないと考えていらっしゃるからなんですか?

須見さん:そうですね。200種類以上見てきましたが、ナットウキナーゼよりも血栓の溶解で強いものは今までなかったですね。それに、病院で処方される血栓溶解剤の代表的なものに「ウロキナーゼ」というのがありますが、納豆1パック(約100g)には約16万円分のウロキナーゼに匹敵する効果があるんですよ。

由美:へぇーそれはすごいですね!なんだか納豆様様って崇めたくなってきました(笑)でもそれだけ効果があると、薬と同じように副作用が出てきてしまったりするようなことはないのですか。納豆には血栓を取り除くことによって血圧を下げる効果があると聞いたことがあるのですが、食べ過ぎによって血圧が下がりすぎちゃったりとかはないのでしょうか。

須見さん:確かに納豆には血栓を取り除いたり、高血圧を招く悪玉コレステロールの酸化を抑える効果をもっていますが、ある一定の値になるとそれ以上下がることはないということが実験によっても証明されているんです。ですからそのような心配は必要ありませんよ。

由美:ホッ、安心しました。ホント納豆ってすごいです!

須見さん:ナットウキナーゼのほかにも最近一般の方々もよく耳にするようになったと思いますが、溶菌酵素であるリゾチーム、抗菌活性や放射能物質を除去する効果があるジピコリン酸、骨粗しょう症の予防をしてくれるビタミンKなどがありますね。ビタミンKの化学名はメナキノンと呼ばれていて、メナキノンは14種類あるんですが、納豆に含まれるビタミンK2はメナキノン‐7なんです。食品で唯一納豆に含まれる有用成分の一つなんです。

由美:ビタミンKというのは、あまり耳にしたことが無いのですが、どのような効用を持つものなんですか?

須見さん:骨にはカルシウムやビタミンDが必要だということは皆さん良くご存知ですね。実は、そのカルシウムを骨にくっつける接着剤のような役割をするタンパク質の合成にビタミンK2が必須であることがわかってきたんです。さらに、骨粗鬆症で骨折する人はそうでない人に比べ、血液中のビタミンK2の量が少ないという報告もあります。比較的新しく発見されたビタミンといってもいいでしょうね。

二人で 由美:わーすごい、人に先んじて学べた!!っていうことですね。なんだかすごくよい勉強が出来た気分です。それにしても納豆は本当にすごい効果。まさに身近にいる最高のお医者さんと言ってもいいでしょうか?☆今まで以上に納豆を沢山食べたくなってきました!!

須見さん:納豆の研究は面白いですよ。知れば知るほど奥が深いんです。メーカーの方にも、消費者の方にも納豆をもっと良く知ってもらいたいですね。

ナットウキナーゼはすごい!!ということが私の中でただ漠然としたものでしか存在しなかったのですが、須見さんのお話を伺うことによって、頭の中がきちんと整理されナットウキナーゼの本当の実力を知ることができました!!まるで魔法にかかるようなすごい効果ですね。後半は納豆の最近発見のリゾチームについて詳しく伺っていきたいと思います。
後半へ


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