−納豆は、食を彩る 主人公− >


第21回気仙沼大会《ダイジェスト版》
宮城県気仙沼市に194点が大集結。
第21回審査結果
日本一は愛知県の山下食品さん。

No90 20th鑑評会当日。早食い大会、納豆食堂、ねば〜る君!
No89 20th鑑評会前日。偕楽園に水戸黄門像。納豆記念碑にねばり丼。
No70 世界最小の納豆屋
毎日12個は至高の12個

No.164 ショートケーキ風ミニタルト
カラフルで可愛く出来ました☆
No.133 生ハムと黒豆のカナッペ
黒豆納豆が見事にマッチ!
No.117 シュー納豆
ブルーベリーと黒豆が絶妙☆













第11回全国納豆鑑評会 静岡県熱海市 2月17日
ホテル大野屋
レポーター:藤本香織(納豆文化村)

鑑評会会場第11回全国納豆鑑評会会場は、全国屈指の温泉郷で知られる静岡県熱海市。あいにくの小雨模様の中、熱海入りをしましたがさすが温泉の町。あちらこちらに湯煙が立っています。今年の会場は熱海でも指折りのホテル大野屋さん。高砂館2階の「富士」で行なわれました。キラキラと豪華なシャンデリアがまぶしい、とても広い会場です。
この会場に全国から集まった大粒・中粒部門56点、小粒・極小粒部門66点、計122点の納豆が並べられてます。すごい数!まさに圧巻!!納豆の香りがほのかに、ふんわりと漂っています。
鑑評会については今までのレポートや先輩のお話などからすごいとは聞いてはいましたが、実際に来てみるとほんとにすごい!さて、これからどのように鑑評会が進められていくのでしょうか。楽しみです。

案内 お水、お箸など ■いよいよ始まります■
7時半、ホテル大野屋さん・高砂館2階の鑑評会会場「富士」に到着しました。審査会場の外には全国から集まった納豆が地域ごとにたくさん並べられています。そして、会場内では忙しそうに準備が進められています。 長いテーブルの上には白い布が敷かれ、番号順に納豆と紙皿が並べられていきます。入り口に近いほうが大粒・中粒部門、奥に小粒・極小粒が並べられています。122種類の納豆が並べられ壮観です。横のテーブルには水、おしぼり、割り箸、お皿、ティッシュが用意され、審査員の方たちがいつでも口をゆすいだり、お皿やお箸の交換が出来るように準備されています。
●マスコミ説明会●

8時からマスコミ説明会が開かれました。
相沢さん ●司会・進行/相沢さん
鑑評会副実行委員長の相沢さんの司会で予定通り8時にマスコミ説明会が始まりました。プレス資料が配られ、資料に添って鑑評会実行委員長の野呂さんとPR担当の(株)IMP一美社長さんからの説明がありました。

出展総数は122点。内訳は中粒・大粒部門56点。極小・小粒部門66点となっています。 8時30分から第一次審査、 10時40分から第二次審査、 12時から昼食、 13時から審査結果発表・一般開放というスケジュールで行われます。

野呂さん ●鑑評会実行委員長/野呂さん
今回は122点の出展です。大粒・中粒部門が56点、小粒・極小粒部門で66点です。去年より2点少ないのですが、期日までに届かなかったのが2点あり、当初のエントリー数としては昨年と同じでした。第一次審査で30〜40点に絞られます。 審査員は20名。 受賞した納豆にはパッケージに5年間受賞内容を明記することが出来ます。来年は山形県での開催です。

一美さん ●PR担当/(株)IMP一美社長さん
現在の納豆市場は納豆の第三次成長期の踊り場といえるでしょう。
ポリアミンは、アンチエイジング効果があります。また、 イソフラボンを摂り過ぎると良くないなどと騒がれていますが、それはサプリメントで30g以上という話であって、納豆の天然イソフラボンは全く問題ありません。

●審査基準
五つの項目、色・形・香り・糸引き・味を評価し、5点を満点とする整数で出展納豆それぞれに点数をつけて合計点を出し、審査が行なわれます。審査員は20名です。研究者・料理研究家・栄養士・省庁関係者などです。主な審査員は、倉敷芸術科学大学教授の須見洋行先生、自治医科大学医師の早田邦康先生、食文化研究家の永山久夫先生、静岡文化芸術大学教授の米屋武文先生など錚々たるメンバーです。

●評価の基準
外観/大豆表面の納豆菌の増殖状況。豆の色、割れ、つぶれの多少。糸引きの状態。納豆の粒径が出品部門にふさわしいか。
香り/アンモニア臭、コゲ臭、酸臭、その他異臭の有無。納豆らしい香りの有無。
食感/豆の硬軟。ザラツキの有無。旨味、苦味、甘味、異味などの有無。
これらを総合して審査員の判断で点数をつけ審査していきます。

●出品する納豆は1企業1点であり、審査日に市販されている、自社生産、自社ブランドのものとされています。大粒・中粒部門は納豆の粒が6.4mm以上、小粒・極小粒部門は6.4mm未満となります。第一次審査から二次審査には30〜40点ほどに絞る予定だそうです。採点は点数のため二次審査に通る納豆は多少変わります。


■第一次審査■

第一次審査 8時半、定刻どおり第一次審査が始まりました。 白衣を着た審査員の先生達が採点表を片手に、お皿と箸を持って審査しています。
白い皿の上の納豆は、右が表面(納豆の容器を開けたときに見える面)、左が裏面(容器の底の面)と決まっています。表と裏を見較べて、発酵状態や納豆の良し悪しを判断するようです。

審査では、タレや辛子をつけることは無く納豆そのものの味で較べられます。 少しずつ食べたり、口の中でゆっくり味わったり、じっくり観察したり、糸を伸ばしてみたり、さまざまな方法で真剣に審査されています。納豆の審査風景って始めてみましたが、こんなにも真剣に観察するものなんですね。

第一次審査では、審査員の先生方は大粒・中粒部門と小粒・極小粒部門とに別れて審査をしていきます。全部だと122種類ですから、そりゃぁ無理と言うもの(笑)。それでも大粒、小粒、それぞれの部門で数十種類の納豆を食べながら比較審査するわけですから、もう大変。一次審査から最終審査まで、納豆を食べ続けるわけですからね。私にゃできないかも(笑)

審査中の会場内はとても静かです。真剣さがすごく伝わってきます。エアコンをかけて部屋を涼しくしていますが、人や照明などでなかなか気温が低くならないそうです。エアコンには相当頑張ってもらわなくちゃね。


一次審査が終わったので会場を出たところで審査員の方々に印象をお伺いしました。

高星会長 ●高星会長
今年の納豆はいいねぇ〜。すごくおいしいよ。ちょっと硬いかなというのも少しだけあったけどね。いい納豆が本当に多いね。去年よりもさらにいいよ。だんだん良くなってる。想像以上だったね。もう、ビックリした!

須見先生 ●須見先生
印象は、去年とよく似た感じですよ。でも少し黒豆が減ったかなぁ。第一印象は粒揃いって感じでした。大粒の中にもちょっとずつだけど、変化があったかな。まぁ、本当にいろいろなものがありました。

永山先生 ●永山先生
今年はキャッチフレーズをつけるなら「今年は納豆の当たり年」だね!くせが少ないからすごく食べやすいし、量も食べられるだろうから、納豆生産量も消費量も増えるんじゃないかな。ムラがないね!これは本当にみんなの努力のたまものだね。

鈴木納親会会長 ●鈴木納親会会長
横一線になってきたね。みんな似てきたよ。みんな、出し方の研究をし過ぎだね。納豆は、出来てから4〜5日が丁度いいんだけど、6〜7日くらいのちょっと過ぎちゃってるものが多かったね。去年は中粒が少なかったけど、今年は多いね。

米屋さん ●米屋先生
初めて参加したんですが、比べてみると食感や香りなど結構違いがあるものですね。点数をつけるのは考えすぎるとダメなので、直感でおいしいものにいい点数をつけました。見た目もとても大事ですね。食欲をそそるようなものがリピーターを作るには必要だと思います。

吉良さん ●吉良副会長
すごく悪いものが少なかったね。なんだかね、普通が多いんですよ。あまり違いがないんですよ。だんだん質が良くなって来ていて、点数付けるのがすごく難しいね。審査はとても大変ですよ。

早田さん ●早田先生
個性が少ないですね。どれもみんな似たような納豆になってきちゃってますよ。もうすこし個性のあるものがあってもいいと思うんだよねぇ。極端に言えば、バラの香りがするようなものとかね。

長谷川先生 ●長谷川先生
去年よりもよくなかったね。ずば抜けていいと思うものがないんですよ。納豆の旨味も少ないしね。発酵が進んでいてチロシンが出ちゃってるものがいくつかあったね。白くなっていて舌ざわりに、ざらつきがあるものもあったよ。


第一次審査が終わり、審査員の先生方の採点表が集計室で集計されます。第一次審査から第二次審査に通過する納豆は、各部門それぞれ何点づつなのでしょうか。ドキドキしますね。

■第二次審査■

ブイサインではないよ。二次審査の2ですよ! 10時40分、予定通りに第二次審査が始まりました。第一次審査の集計の結果、大粒・中粒部門からが16点、小粒・極小粒部門から18点が第二次審査に進みました。

テーブル7列ほどあった納豆が、4列ほどになり、かなり少なく感じます。厳選された感じです。 室温は21度ほどになっていて、第一次審査のときよりちょっと涼しく感じます。


ブイサインではなくて二次審査ってことよ♪→

二次では審査員の先生方は大粒・中粒、小粒・極小粒の両方を審査していきます。先生方は両部門合わせた34点を審査されるので、一次審査で小粒・極小粒部門を担当された先生方はちょうど100点の納豆を食べて審査することに・・・わぉ!すご〜い!!

第二次審査が終わり、またまた審査員の方々にお伺いしました。

高星会長 ●高星会長
デットヒートだよ。これなら、やっぱり第三次審査まであるんじゃないかな。審査は4点、5点ばっかりだったよ。1点、2点はいつもはあるんだけど、今年はそういうのはなかったね。つけなかったよ。

須見先生さん ●須見先生
全体的に差がないけれど、特に大粒に差がないね。点数をつけていたら4点、5点にばかりになりすぎちゃって、もう一回点数を付け直しましたよ。それくらい、僅差の納豆ばかりなんですよ。

永山先生 ●永山先生
いい納豆はすごく良かったよ。本当にいい納豆が出来てるよ。小粒も大粒もおいしいね。研究会の成果が出たんでしょう。去年も思ったけど、今年はもっと納豆を買ったほうがいいよ〜。買わないと10年後に後悔するよ。今までで最高!

吉良さん ●吉良さん
差が少ないね。ほとんど差がないですよ。いい納豆ばっかりが残ってます。みなさん点数をつけても、差があんまりつかないんじゃないかな。もうこれは、みなさんの総合点で決めるしかないね。

鈴木納親会会長 ●鈴木納親会会長
第一次より保管方法が良かったね。一次より美味しいものが多かったよ。室温も低かったしね。大粒にいいものが多かったな〜。主観では大粒から大臣賞が出るんじゃないかな、と思ってるよ。


■第三次審査■

結局、審査員の皆様の予想通り第二次審査では決まらず、第三次審査が11時半から行なわる事になりました。この第三次審査は5名の審査員の先生だけで関係者は一切入れず極秘で行なわれました。
第三次審査が終わり、審査員の方々にお伺いしました。
高星会長 ●高星会長
みんな同じようにレベルが高くて選ぶのが本当に難しかった。ほとんど差がなかったよ。去年より決まるのに時間がかかったよ。最終的には多数決で決めた。本当に同じくらいのレベルだった。
須見先生 ●須見先生
小粒も大粒も同点があって決まらなかったんだ。差があまりないからね。納豆菌は主に4種類しかないし、自社開発は出来ないものだから味が似てしまうのは仕方ないことなんだけどね。大豆の違いだね。
永山先生 ●永山先生
なかなか決められなかったね。第四次でやっと決めたよ。四次審査まで行ったのは今までで初めてだよ。
すごく良くて決められなかったんだ。どの納豆もうまく出来ていたね。レベルが高い接戦の中の一位はすごいことだよ。糸引きの強い納豆が多かったし、いい納豆ばかりでかなり悩んだよ。
長谷川先生 ●長谷川先生
差はあんまりないね。私的にはおいしくなかったね。去年のほうが良かったよ。1点、2点、3点がほとんどだったね。私が一番辛口だったかな。去年は二個くらい5点を付けたんだけど、今年はつけられなかったね。
鈴木納親会会長 ●鈴木納親会会長
ほとんど全ての賞に同点があって、最終的には多数決で決めましたよ。6社しかない県知事賞でも同点があったほど接戦だったんだよ。本当にレベルが上がったよ。始めの頃は納豆じゃないようなものもあったからね(笑)

■結果発表■

そして、いよいよ高星会長から審査結果の発表です。緊張の瞬間です。

●農林水産大臣賞
「えだ豆納豆」/株式会社中田園(北海道)

●農林水産省総合食料局長賞(小粒・極小粒部門)
「実花」/ひげた食品株式会社(茨城県)

●農林水産省総合食料局長賞(大粒・中粒部門)
「十勝自慢」/日向発酵食品株式会社(北海道)

●厚生労働省医薬食品局食品安全部長賞(小粒・極小粒部門)
「北海道納豆」/坂田醗酵食品株式会社(北海道))

●厚生労働省医薬食品局食品安全部長賞(大粒・中粒部門)
「つるの子納豆」/株式会社 豆蔵(北海道)

●関東農政局長賞(部門共通)
「平家納豆」/こいしや食品株式会社(栃木県)

●静岡県知事賞(部門共通)
「小粒納豆」/村松商店(静岡県)

●全国農業協同組合連合会長賞(小粒・極小粒部門)
「グリーンパール納豆」/有限会社大沼商店(宮城県)

●全国農業協同組合連合会長賞(大粒・中粒部門)
「北海道大粒」/株式会社カジノヤ(神奈川県)

●全国納豆協同組合連合会長賞(小粒・極小粒部門)
「昔ながらのわら納豆」/京北食品株式会社(東京都)

●納親会長賞(大粒・中粒部門)
「国産100%大粒」/株式会社せんだい(山梨県)

(受賞された皆様方のインタビューは受賞者インタビュー1・2に掲載しています。)


左が冴瑛ちゃん、右が香織です。 審査結果の発表の後には試食ができることになっています。鑑評会が行なわれた富士で試食会は開かれました。もちろん受賞した納豆の試食も出来ます。こんなにたくさんの種類の納豆を試食できる機会はないですよ。私ももちろん時間が無い中、なんとか時間を作って、試食してみました。美味しいですよぅ!!
←左:伊藤冴瑛ちゃん、右:藤本香織
多少の個性はあるにしても、とっても美味しい納豆がいっぱいでした。やはり日本一を決める鑑評会ってとってもすごいな!

■鑑評会を振り返って■

第11回全国納豆鑑評会も無事終了しました。最後になりましたが今回の実行委員長(青年同友会委員長)の野呂さんに全体を通しての印象をお伺いしました。
また、来期の青年同友会委員長になられる相沢さんにもお話を伺いました。
香織:第11回全国納豆鑑評会も無事終わりましたね。今年の鑑評会の印象はどうですか?

野呂さん 野呂さん:非常に上手くいきました。でも、僕の家が鎌倉で熱海とは近いので、いつでも熱海に行けるという甘い気持ちがちょっとあって打ち合わせが足りなかったですね。気の緩みがあったと思います。

香織:いえいえ、そんなことはないですよ。静岡県理事長のマルタヤ食品社長の坂井さんは野呂さんがとってもよくやってくれたおかげでここまで来れた、と感謝されていましたよ。野呂さんは今回で、4回やった実行委員長も任期が終わりましたね。

野呂さん:もう4回も実行委員長をやって、今回やっと引退出来てうれしいですよ。委員長は体力的にというよりは精神的にとてもつらいんです。組合の恥にならないように、と荷が重いんですよ。

香織:大変お疲れさまでした。こんなに大きな大会だとまとめるのが本当に大変だと思います。始めの頃と比べて何か変化はありましたか?

野呂さん:始めの頃に比べるとずいぶん変化がありますねぇ。仕事にスピードが出て、とてもスムーズにいきました。食事会の前に時間が空いたのは初めてです。次は新しい人が4人入るんです。少し心配だなぁ…。ちなみに今日は僕の誕生日で52歳になりました!!

香織:それは、おめでとうございます!昨日の前夜祭でも野呂さんの誕生日と鑑評会がほとんど重なると言われていましたね。いつも鑑評会の会場でお誕生日会なんですね(笑)

相沢さん 香織:ところで相沢さん、来年は相沢さんが実行委員長ということになりますね。なかなか大きな大会なので大変ですね。

相沢さん:来年もうまくいきますよ!『当然でしょ。誰がやると思っているんだ。なめるんじゃあないっ!』って書いておいてよ〜(笑)!

香織:分かりましたぁ(笑)!プレッシャーとかはないんですね?

相沢さん:プレッシャーって何? あるわけないやろ。それにしても今年はすごく盛大に出来たね。来年はもっと盛り上げなくちゃと思って実は少しプレッシャーです。まぁあと5分したら忘れてるけどね(笑)

全国納豆鑑評会、香織は今回、初めて参加させていただきました。想像していた鑑評会よりはるかに素晴らしいものでした。みなさんの鑑評会に対する、納豆に対する、とても真剣な真摯な気持ちがすごく伝わってきました。和気あいあいで仲良くしながらも、真剣に鑑評会を支えている関係者の皆さんの努力があって、これほどまでの鑑評会が開催できるのだなぁと思いました。
これから納豆を食べるときにはきっとこの鑑評会を思い出してありがたくいただくだろうなぁ。
日本の素晴らしい伝統食品である納豆を食べる人がもっともっといっぱいいっぱい増えるといいなぁ。日本の伝統的な食文化の代表・納豆、ばんざ〜い♪もともと納豆が大好物の香織は一段と納豆が大好きになりました(^∪^)
納豆文化村:藤本香織
受賞者インタビュー1 受賞者インタビュー2

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