−納豆は、食を彩る 主人公− >


第21回気仙沼大会《ダイジェスト版》
宮城県気仙沼市に194点が大集結。
第21回審査結果
日本一は愛知県の山下食品さん。

No90 20th鑑評会当日。早食い大会、納豆食堂、ねば〜る君!
No89 20th鑑評会前日。偕楽園に水戸黄門像。納豆記念碑にねばり丼。
No70 世界最小の納豆屋
毎日12個は至高の12個

No.164 ショートケーキ風ミニタルト
カラフルで可愛く出来ました☆
No.133 生ハムと黒豆のカナッペ
黒豆納豆が見事にマッチ!
No.117 シュー納豆
ブルーベリーと黒豆が絶妙☆













藤本香織 第13回全国納豆鑑評会 平成20年2月15日
石川県金沢市 金沢エクセルホテル東急
レポーター:藤本香織(納豆文化村)

総合受付にて今年もやってきました!年に1度の全国納豆鑑評会、第13回金沢大会です。金沢では雪が降っていて、とっても寒い!!
朝7時前、金沢エクセルホテル東急に到着しました。委員の方たちが、トラックから納豆を運び込んでいるのが見えます。朝早くからお疲れさまです。
いよいよ始まりますね!今年はどんな納豆が受賞するんでしょうか!?ドキドキです。
鑑評会総合受付です→

記者会見会場

↑プレスルームにて。藤枝菜生ちゃん(左/気まぐれ絵日記担当)と香織(右)

エレベーターで5階に上がり、会場に向かいます。
すでに委員の方々は集まっていて準備が始められています。

鑑評会会場では、まず始めに第一部の極小粒・小粒部門の出品納豆が紙皿の上に右が表、左が裏になるように納豆が乗せられます。今年も昨年同様2グループ並べられています。皆さん、きれいに納豆が容器から出るように真剣です。たくさんの思いが詰まった納豆ですもんね。


■メディア向け鑑評会説明会■

予定より少し遅れましたが、8時5分メディア向け鑑評会説明会が始まりました。

香織 <タイムスケジュール>
8:00 メディア向け鑑評会説明会
8:30 一次審査小粒部門開始
10:10 一次審査大粒部門開始
12:10 二次審査(*1)および集計作業
13:00 結果発表・一般開放
14:00 解散

(*1)二次審査は得点が同点のものがある場合のみ行われます。


司会・進行/宮ノ原さん ●司会・進行/宮ノ原さん
昨年に引き続き立派な司会ぶりです。プレス資料説明、変色を防ぐため強いライトを当てないように、など報道関係者へ。
鑑評会実行委員長/相沢さん ●鑑評会実行委員長/相沢さん
全国納豆鑑評会の開催主旨の説明。昨年、来年の鑑評会のお話。「来年は鹿児島県での開催予定です。」
PR担当/野呂さん ●PR担当/野呂さん
大豆業界についてのお話。「原料90%以上を海外からの輸入に頼っている。そして80%以上がアメリカ産です。」
IMP/一美さん ●IMP/一美さん
納豆業界についてのお話。「単価は下落、消費量は伸びている。業界は非常に厳しい状況が続いています。」

プレスルーム
プレスルーム


●全国納豆鑑評会とは?
全納連に加盟する全国の納豆メーカーが製造した自社納豆を1企業1点出品。その中から納豆日本一(農林水産大臣賞)を決定する年に1度の品評会です。入賞各社には、受賞商品のパッケージに全国納豆鑑評会で受賞した正式賞名を5年間明記する名誉が与えられます。

●全国納豆鑑評会出展総数
出展総数120点
(極小粒・小粒部門65点、中粒・大粒部門55点)
(国産大豆94点、中国産17点、アメリカ産4点、カナダ産5点)
(石川県からの出展1点)
前回の第12回山形大会は118点でした。

●審査方法
審査員が小粒部門、大粒部門に分けられた全ての納豆を試食、審査。5点満点の整数で出展納豆それぞれに点数をつけ、その合計点で審査が行われます。今回は審査員19名なので5×19の95点満点となります。

●審査員
審査員数19名(敬称略)
主な審査員は・・・須見洋行(倉敷芸術科学大学 教授)・早田邦康(自治医科大学 医師)・永山久夫(食文化史研究家)・伊藤優志(農林水産省総合食料局 課長補佐)・林啓司(北陸農政局 生産経営流通部 部長)・中村静夫(石川県工業試験場 食品加工技術研究室 室長)他



■一次審査小粒部門■

一次審査小粒部門
8:30〜予定通り審査が始まりました。
会場内は納豆の品質を一定にするため、12度に保たれていて、かなり寒いです。
静寂の中、カメラの音だけが聞こえます。公平に集中して審査するため、私語は禁止です。
1時間程すると審査を終えた審査員の方々が会場から出てきました。さっそく、小粒部門の審査の印象を伺ってみました。
笹沼会長 ●笹沼さん(全国納豆協同組合連合会/会長)
今年はいいのが出来てるね。あと会場もすごくいい。温度管理が出来ていて、公平に審査できますね。見た目が良いのが多い。
須見先生 ●須見先生(倉敷芸術科学大学/教授)
粒が揃っていて、どれも良かったですね。おいしかったですよ。4〜5点の高得点は1割くらいつけました。私の高得点にするポイントは納豆らしい納豆です。
永山先生 ●永山先生(食文化史研究所/食文化史研究家)
今年の納豆は旨味成分が強いですね。じっくりと醗酵していると思います。糸が豆を包んでいるようなものがいいと思います。
長谷川先生 ●長谷川先生(茨城県工業技術センター)
ひどいと思うものが、ホントに少なかったね〜。見た目がすごくキレイでうまく作られていると思います。毎年毎年良くなってますよ。
吉良さん ●吉良さん(全国納豆協同組合連合会/副会長)
よく出来ていました。3分の1くらいすごく良いと思うのがありましたよ。自分の納豆がどれかは、だいたい分かりました。うちの納豆に似ているのも多くなってきました。
石塚さん ●石塚さん(全国納豆協同組合連合会/副会長)
去年よりよかったです。去年は、柔かすぎるのが多かったんですがね。ほんとにレベルが高い!疲れました〜。全力を尽くしてきました。
林さん ●林さん(北陸農政局 生産経営流通部/部長)
納豆の専門家ではありませんが…1〜2粒食べて審査するのが難しかったです。ご飯にかけて食べたくなっちゃうくらいみんないい出来だったよ(笑)
岡崎さん ●岡崎さん(全国納豆協同組合連合会/副会長)
小粒の採点は疲れるね〜。みんな同じような感じでした。糸引きがバッチリ良かった。でも、はっきりとした違いはあまりなかったね。
田川さん ●田川さん(学校栄養職員研究会/会長)
全国の納豆を見る事ができて嬉しいです。審査しましたが、全部同じように感じてしまいますね。粘りや感触が良いものが多かったです。

藤本香織

審査員の方の感想は、相対的にレベルが上がっているということでした。専門家のみなさんは、やはり細かいこところまで見ていらっしゃいます。


納豆のことを第一に考えられた寒い会場内で審査するのは、かなり大変。まだ、これから大粒部門審査が始まります。

審査員の先生方は一旦控え室に戻って大粒部門の審査に備えます。

小粒部門の審査が終わると青年同友会委員の方々や納親会の方々は急いで大粒部門の準備にかかります。同じ会場の為、小粒部門の納豆を片付け、大粒部門の納豆を並べていきます。同様に2グループ用意されます。


審査員控え室

↑審査員控え室では、納豆や納豆業界についてアカデミックな納豆談義が繰り広げられています。


■一次審査大粒部門■

一次審査大粒部門

↑大粒部門審査会場の前にて。気まぐれ絵日記担当の菜生ちゃんと☆
予定より10分ほど早く、10時から大粒部門の審査が始められました。会場は小粒部門と同様に12度に保たれています。寒さを感じます。
審査が終わった方から、パラパラと会場から出てきました。またまた、大粒部門審査の感想も聞いてみます!
一次審査大粒部門
鈴木さん ●鈴木さん(納親会/会長)
いいものが多かったですよ。小粒も大粒もですが審査日に合わせられていないものもありますね。過熟し過ぎてしまって、納豆菌が流れてしまっている。
石塚さん ●石塚さん(全国納豆協同組合連合会/副会長)
平均的においしかったです。小粒よりよかったですね。5点のものはすぐにわかりました。点数の差は明確に出るんではないかと思います。
伊藤さん ●伊藤さん(農林水産省総合食料局/課長補佐)
全部おいしかったです。タレがないから味がそれぞれ分かりやすいですね。豆の味が良く出ていました。噛むと香ばしさが感じられるものに高得点を付けました。
長谷川先生 ●長谷川先生(茨城県工業技術センター)
キレイでよかったですよ。何点かいいものがありました。全体的に旨味は少なかったね。あっさりとしていました。もっとなめらかさが出るといいと思います。
吉良さん ●吉良さん(全国納豆協同組合連合会/副会長)
ほとんどが同じような感じでした。全部が、平均的においしいですね〜。ほんとに難しいね。運、不運もあるとは思いますよ。
地挽さん ●地挽さん(全国農業協同組合連合会/課長)
平均的にレベルが高かったです。去年は大粒の方が印象に残ったけど、今年は小粒の方が印象に残って良かったですね。
和田さん ●和田さん(北陸納豆製造組合/理事長)
小粒よりレベルが高かったですね。4点以上が多くなりました。全体的に柔かいものが多いが、、硬いものはすごく硬かったね。
袴田さん ●袴田さん(金沢工業大学/准教授・工学博士)
同じ大豆でも違う味の納豆になり美味しさも変わってくるから不思議。小粒のほうが良かった。大粒は大豆自体の苦味が感じられたが噛むと柔かくて美味しさがでてくる。
早田さん ●早田さん(自治医科大学/医師)
非常に難しい。良品ばかりだから逆に悪いものがあると目立っちゃう。みんな美味しいが無難なものが多いから、逆に印象に残りにくいですね。

藤本香織

平均的に良いものばかりで、おいしかったという感想が多かった大粒部門。かなり審査が難しかったようです。


■二次審査■

二次審査

【写真左】二次審査会場に向かう鈴木さんと永山先生。
【写真右】二次審査が終わり、会場から出てきたところで笹沼会長に一言いただきました。
11:15から小粒部門で3点、大粒部門では2点の同点があり、二次審査が行われました。審査員は笹沼会長、長谷川先生、須見先生、永山先生、鈴木納親会長の5名で挙手制で行われます。取材は禁止です。会場には入れないので、外で待ちます。



■結果発表■

結果発表

予定通り13:00。いよいよ審査結果が発表されます。笹沼会長さんの発表にワクワク、ドキドキ!!

農林水産大臣賞/海洋ミネラル納豆 ミニ2 ●農林水産大臣賞
「海洋ミネラル納豆 ミニ2」/(有)菊水食品(茨城県)

●農林水産省総合食料局長賞(小粒・極小粒部門)
「元気納豆 九州本仕込み 3個組」/マルキン食品梶i熊本県)

●農林水産省総合食料局長賞(大粒・中粒部門)
「大保納豆 粒」/サン食品工業梶i秋田県)

●厚生労働省医薬食品局食品安全部長賞(小粒・極小粒部門)
「ゆきしずか 小粒納豆」/鰍オか屋(熊本県)

●厚生労働省医薬食品局食品安全部長賞(大粒・中粒部門)
「北海道ミニ3」/樺ゥ一番(茨城県)

●全国農業協同組合連合会長賞(小粒・極小粒部門)
「発芽大豆納豆」/(有)ふく屋(秋田県)

●全国農業協同組合連合会長賞(大粒・中粒部門)
「おらが街」/内藤食品工業梶i北海道)

●全国納豆協同組合連合会長賞(小粒・極小粒部門)
「こすずちゃん」/(有)わたり納豆(宮城県)

●納親会会長賞(大粒・中粒部門)
「雪誉」/潟Iーサト(茨城県)

●北陸農政局長賞
「新潟納豆国産大粒」/轄kエ商店(新潟県)

(受賞された皆様方のインタビューは受賞者インタビュー1と2に掲載しています。)


受賞納豆集合 ←受賞納豆集合
今年も、審査結果発表後は一般の方も出品納豆を試食することができます。
帰りには納豆のお土産をたくさん頂き、14:00頃、解散となりました。
家に帰っても、全国のおいしい納豆を食べることが出来そうでワクワクです♪

長いようで短かった今年の全国納豆鑑評会も予定通り、無事終了です。


受賞納豆メーカーさんと

↑会場にいらっしゃった受賞納豆メーカーさんと2ショットを撮らせて頂きました。
【写真左上】見事6回目の受賞を果たされたマルキン食品の吉良会長さんと。素晴らしい!
【写真右上】来年は鹿児島開催ということでグッドタイミング!しか屋の宮之原さんは二回目の受賞。
【写真左下】オーサトさんは納親会長賞を受賞。ということで、納親会会長の鈴木さんと2ショット☆
【写真右下】昨年に引き続き2年連続受賞。オーサトの工場長、織間さん。


■鑑評会を振り返って■

納豆文化村:藤本香織 香織は全国納豆鑑評会の取材は、11回熱海、12回山形に続き、今年金沢が三回目となりました。毎年毎年、どんどんと納豆の奥深さに魅せられていってます。
今回も準備や前夜祭から参加させてもらい、委員のみなさんの鑑評会に向ける熱い真剣な気持ちを感じていたので、本番当日は香織も一緒にドキドキ☆

もっともっと、全国納豆鑑評会をたくさんの方々に知ってもらいたい。みなさんの食卓を豊かにするために納豆をよりおいしくしようと日々努力し、鑑評会という場で切磋琢磨しているということを伝えたいと強く感じました。そうしたら、この鑑評会での受賞がもっともっと価値ある名誉あるものになるのではないかと思います。

今回は金沢文化を知る為に、日本三名園の一つ「兼六園」にも行ってきました。
兼六園には「六勝」という「庭園では六つのすぐれた景観を兼ね備えることはできない」という意味の言葉があるそうです。広く大きい様(宏大)を表そうとすれば、余情のある奥深さ(幽邃)が乏しい。人の手(人力)を加えると、古びた深み(蒼古)が少ない。また、滝や泉など(水泉)を多くすれば、遠く見渡す(眺望)ことができない」。これらの六勝を兼ね備えているという事から名付けられた「兼六園」は、その名に恥じない名園でした。

これを納豆に例えるとすれば、鑑評会の評価項目である色・形・香り・糸引き・味の5つと、6つ目の要素が高い水準でバランスが取れれば、それが本当に素晴らしい納豆なのではないでしょうか。
評価項目では語れない6つ目の要素こそ、各メーカーさんが持っているこだわりであり奥深い技術であり、納豆職人さんの納豆に対するプロとしての愛情なのかな。

この鑑評会のために、頑張ってきたみなさん本当に本当にお疲れ様でした。また来年に向けて頑張ってください。香織も楽しみにしています♪

納豆文化村:藤本香織

受賞者インタビュー1 受賞者インタビュー2


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