●永山久夫賞(小粒・極小粒部門)
原田製油有限会社(大分県)/「九州小粒納豆」 会場インタビュー:常務取締役 原田和典さん
怜生:今回で4度目の受賞。しかも連続受賞となりましたが、お気持ちはいかがでしたか。
原田さん:当社は九州の大分県にあるメーカーですが、北海道という遠い場所で受賞出来たことは本当にうれしく、感慨深いものがあります。
怜生:今回受賞された九州小粒納豆に使われた大豆は?
原田さん:この九州小粒納豆は九州では珍しい納豆専用のスズオトメという品種の大豆なんです。大豆の旨みがある昔ながらの大豆で、このスズオトメを大分と福岡の地域限定の契約栽培をして使っているんです。納豆用としてはスズマルが有名ですが、九州では九州農政局が中心となって品種改良されてきたスズオトメを推奨しているんです。豆腐用で有名なフクユタカに比べて、蒸煮後の皮むけや豆割れが少ない事も、納豆用に適していると言えますね。
怜生:スズオトメ。いい大豆なんですね。九州小粒納豆の特徴を教えてください。
原田さん:納豆はご飯と一緒に食べられる方が多いので、噛み易く大豆の旨みもしっかりするように仕上げていますので、消費者の皆様にも喜ばれるのではないかと思っています。
怜生:製造工程で特にこだわっている部分は、どんなところですか?
原田さん:昔は大豆を高圧で短時間で炊き、蒸す時間を長く取っていたんですが、最近の傾向として、白めでさっぱりした、なおかつ旨みのある納豆が好まれているので、低圧で長く炊くように、蒸し時間もそれなりに取る方法にしています。
怜生:旨みを逃さないようにゆったりとですね。今後の目標としてさらに上を目指されますか?
原田さん:もちろん!日本一を目指して頑張りますよ。
怜生:力強いですね! 日本一、期待しています!
●永山久夫賞(中粒・大粒部門)
株式会社せんだい(山梨県)/「ふっくら大粒」 電話インタビュー:代表取締役 伊藤孝さん
怜生:今回で4度目の受賞、しかも昨年に続いての連続受賞になりましたね。
伊藤さん:はい、おかげさまで受賞できて大変嬉しいです。
怜生:今回の「ふっくら大粒」に使われた大豆は何ですか?
伊藤さん:長野県産の「ナカセンナリ」を使っています。「ナカセンナリ」は糖質が高いので、納豆作りに適した大豆なんですよ。以前からこの大豆を使用しています。
怜生:糖質が高いんですね。「ナカセンナリ」は色や香り、食感なども優れている良い大豆だと聞きますね。ところでこの「ふっくら大粒」の特徴は何ですか?
伊藤さん:糸引きが強いことと、見た目も白っぽくきれいに仕上がるのがいいですね。
怜生:せんだいさんの製造上のこだわりは何でしょうか?
伊藤さん:納豆作りというのは、工程がシンプルなので一番大切なのは基本に忠実だということでしょうね。
怜生:基本に忠実というのは重い言葉ですね。では、今後の目標を教えてください。
伊藤さん:お客様に喜ばれる良い納豆をつくり続けていきたいですね。
怜生:これからも美味しい納豆づくりを期待しています!
●北海道知事賞(小粒・極小粒部門)
内藤食品工業株式会社(北海道)/「健康へのかけはし」 会場インタビュー:代表取締役 内藤孝幸さん
怜生:今回は「おらが街」と同時に2部門受賞となりましたね。
内藤さん:はい、ありがとうございます。日本一でなかったのが残念ですが。
怜生:昨年の日本一に続いての連続受賞で、しかも2部門受賞ですから素晴らしいです。この「健康へのかけはし」の特徴は何でしょうか。
内藤さん:そうですね。小粒で食べやすく仕上げています。甘くて美味しいとよくお客様からも言われます。
怜生:そうなんですね。使われている大豆は何ですか?
内藤さん:北海道産のユキシズカを使っています。昔はキタムスメなども使っていたんですが、仕上がりの色が濃くなる傾向があるのでユキシズカにしてみたんです。
怜生:ユキシズカを使っている納豆は結構聞きますよね。スズマルの流れを汲むいい大豆だそうですね。
内藤さん:そうそう、小粒だけど旨味もしっかりしている、納豆用としてもなかなかいい大豆ですよ。見た目もいいしね。
怜生:これからも美味しい納豆を楽しみにしています!
●北海道知事賞(中粒・大粒部門)
社会福祉法人更葉園(北海道)/「おとぷけ納豆」 電話インタビュー:施設長 市野輝章さん
怜生:見事に初受賞を射止められましたね。
市野さん:はい、ありがとうございます。鑑評会という素晴らしい大会で品質がいいと評価されたことが嬉しいです。
怜生:鑑評会に向けて、どのようなことに注意されましたか?
市野さん:鑑評会がどのようなものなのかを知りたかったですし、とにかく鑑評会に「おとぷけ納豆」を出品して、どのような評価になるかを知りたかったですね。ですから普段通りに作ったものをそのまま出品しました。
怜生:「おとぷけ納豆」というネーミングが面白いですね。「おとぷけ」とは何ですか。
市野さん:町名である「おとふけ」のアイヌ語「オトプケ」から来ているんですよ。地元では「おとぷけ」という言葉に愛着があるんです。
怜生:おとぷけって可愛らしいですね。おとぷけ納豆は十勝産の「とよまさり大豆」を使っているそうですね。
市野さん:はい、十勝でとれた「とよまさり大豆」だけを使っている中粒の納豆です。
怜生:製造に苦労された事は?
市野さん:3年前に納豆を造り始めたころは、失敗の連続でした。でもそれらの失敗は必ず成功に結びつくとの信念でずっとやって来ましたので、今回の賞はとても嬉しいです。
怜生:おとぷけ納豆の特長を教えてください。
市野さん:納豆は全て手盛りで、心をこめて作らせていただいています。最近は美味しいという評判も耳にすることがあり、励みになっています。
怜生:水もいいという事を聞きましたが
市野さん:食品の基本は水だという事で、水にもこだわっています。やはり基本は原料と水ですね。
怜生:これからも心のこもった納豆を作り続けてくださいね。
●北海道農政事務所長賞(小粒・極小粒部門)
オシキリ食品株式会社(北海道)/「十勝小粒納豆」 会場インタビュー:取締役工場長 菅原康之さん
怜生:今のお気持ちはいかがですか。
菅原さん:受賞出来てほっとしております。
怜生:今回で3度目の受賞になるわけですが、いかがですか。
菅原さん:3回目に至るまでは、2回目から3回目の間か非常に長くて、頑張ってはいたんですがなかなか届かなかったなというのが実情です。去年京都の鑑評会が終わってから1年間かけて、現場も含めて頑張りました。頑張って頑張って頑張って、最後の方には自然体で行こうという気持ちで今回の鑑評会には製造も含めて臨みました。その結果北海道農政事務所長賞をいただきました。
怜生:昨年秋に文化村で「美味しい納豆を作る会」の取材をさせていただきましたが、メンバーの皆さんがとても意欲的で、特にオシキリ食品さんは3人も参加されていましたね。
菅原さん:そうなんです。今回は北海道の大会なので絶対賞をもらうぞとの意気込みで、専務と私と現場の技術者の3人で勉強に行ったんです。
怜生:やはりそういう意気込みと言うか気合を持たれていたんですね。
菅原さん:気合は入りました。ただ私だけの気合ではなくて、会社全体が一丸となって望んだことが賞に繋がったのではないかなと思います。鑑評会の品質ではなくて、これからの品質をきちっと守っていけるように納豆工場の皆と努力精進していきますので、また応援してくれたらありがたいです。
怜生:全社一丸での受賞、素晴らしいですね。これからも頑張ってください。
●北海道農政事務所長賞(中粒・大粒部門)
マルカワ食品株式会社(北海道)/「北海道産大豆とよまさり納豆」 会場インタビュー:代表取締役社長 川面邦治さん
怜生:今回で3度目の受賞となるわけですが、お気持ちはいかがですか。
川面さん:はい、とても嬉しいです。
怜生:今回のとよまさり納豆の特徴を教えてください。
川面さん:とよまさりというのは北海道産の大粒大豆で、ふっくら柔かく仕上げています。大豆の旨みがしっかりと感じられる仕上がりだと思います。
怜生:大豆の旨みが感じられる納豆は本当に美味しいですからね。今回は鑑評会の準備のために会場を提供されたり、大変だったですね。
川面さん:準備会場を提供する訳ですから、すべての納豆の品質が落ちないように公平になるようにとても気を使いました。青年同友会の委員の皆様方の手際の良さに感心しました。
怜生:そうですね。青年同友会の皆様が、223点もの暗番付を部門別に非常にスムーズにされていて私も感激しました。
川面さん:準備会場が寒くなかったですか?
怜生:はい、もうブルブル震えてました(笑)でも納豆の為ですからね!これからもお客様が喜ぶ美味しい納豆をお願いいたします。
●全国納豆協同組合連合会長賞(ひきわり部門)
株式会社大力納豆(新潟県)/「国産大豆100%ひきわり納豆」 会場インタビュー:取締役専務 坂詰仁さん
怜生:今回で5度目の受賞となるわけですが、お気持ちはいかがですか。
坂詰さん:今年から新設されたひきわり部門の賞だったので、どうしても取りたいと思っていましたが、まさか本当に取れるとは思っていませんでした。
怜生:納豆文化村では以前から、大力さんのひきわりはいいよ。実力あるよとあちらこちらで聞いていましたよ。
坂詰さん:そうなんですか。ひきわり納豆というのは、納豆メーカーの実力と腕が出るものだと思いますし、特に香りには重点を置いて作っています。いい香りを出せるように常に努力しているんです。
怜生:香りがいいんですね。国産大豆100%ひきわり納豆の特徴を教えてください。
坂詰さん:栃木県産のタチナガハを使っています。本来の大豆良さをしっかりと出すようにしましたので、香りや食感、大豆の旨みを楽しんでいただけると思います。
怜生:坂詰さんは、今回から全国納豆鑑評会の実行委員長と言う要職に就かれましたが、最大規模の鑑評会となり大変だったでしょうね。
坂詰さん:はい、本来の仕事が手につきませんでした(笑)でも、青年同友会の委員の皆さんや関係者の皆さんのおかげで、何とか無事に鑑評会を終える事が出来て、とにかくホッとしています。
怜生:本当に素晴らしい鑑評会でしたね。新設ひきわり部門の受賞も合わせて、本当におめでとうございました。そしてお疲れさまでした。
●Red River Valley U.S. Award(アメリカ大豆部門)
株式会社しか屋(鹿児島県)/「頑固おやじの小粒納豆」 会場インタビュー:営業部部長 宮之原綾子さん
怜生:今回で4度目の受賞になりましたね。
宮之原さん:はい、大変嬉しいです。でも実際は鑑評会の運営の事で頭がいっぱいで、正直まだ実感がありません。
怜生:今回は新しく出来たアメリカ大豆部門での受賞ですね。
宮之原さん:はい、3年ほど前に青年同友会の研修会でアメリカに行き、大豆畑を見学したり、生産者の方、サプライヤーの方と直接お話しをした事がきっかけでアメリカ大豆を使った納豆を開発しました。今回新しくアメリカ大豆部門ができて、その新しいアメリカ大豆部門で受賞できたことがとても嬉しいです。
怜生:アメリカ大豆を使われ始めたのは最近なんですね。国産大豆と比べて作り方などはいかがですか?
宮之原さん:いままでいろいろな大豆で納豆を作って来ましたが、それぞれの大豆に合わせた生産方法を取って来たことが、アメリカ大豆を使った納豆作りにも生きていると思います。
怜生:やはり大豆によって微妙に作り方が違うんですね。「頑固おやじの小粒納豆」の特徴は?
宮之原さん:はい、食べやすいくせのない納豆に仕上げています。少し柔らかめの食感なので、広く一般的に受け入れられるタイプの納豆ではないでしょうか。
怜生:今後のしか屋さんの納豆作りについて教えてください。
宮之原さん:良い大豆を頂いていますので、その良い大豆を美味しい納豆に作りあげていくように、一生懸命頑張っていきたいと思います。
怜生:来年の青森大会も楽しみにしています♪
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