−納豆は、食を彩る 主人公− >


第21回気仙沼大会《ダイジェスト版》
宮城県気仙沼市に194点が大集結。
第21回審査結果
日本一は愛知県の山下食品さん。

No90 20th鑑評会当日。早食い大会、納豆食堂、ねば〜る君!
No89 20th鑑評会前日。偕楽園に水戸黄門像。納豆記念碑にねばり丼。
No70 世界最小の納豆屋
毎日12個は至高の12個

No.164 ショートケーキ風ミニタルト
カラフルで可愛く出来ました☆
No.133 生ハムと黒豆のカナッペ
黒豆納豆が見事にマッチ!
No.117 シュー納豆
ブルーベリーと黒豆が絶妙☆














信州受賞メーカー3社めぐり! 前半
全国納豆鑑評会で長野県は受賞メーカーが3社。増屋納豆店さん、村田商店さん、阿部納豆店さん。納豆強国になりつつある信州長野へ、納豆大好き北澤莉緒が行ってまいりました!

天気予報では長野地方は雪。東京も早朝はうっすらと雪が積もっていたので、長野に着くまでは雪の道路を覚悟して出発しました。ところが想像していたよりも道路に雪はなく、長野インターに着いたときには雪は降ったりやんだりでした。

今日は信州長野の鑑評会受賞メーカー3社を、増屋納豆店さん→村田商店さん→阿部納豆店さんの順に回って、いろいろなお話をお伺いしようと思ってます。とっても楽しみ〜です。


(写真左)今日の3社の最初は「川中島納豆」の増屋納豆店さんです。少し時間があったので、川中島駅と合戦跡に行ってきました。
その昔、戦国時代、甲斐の国の武将武田信玄と、越後の上杉謙信とが信濃の領有をめぐって戦ったのがこの川中島。両者は5回戦い、信濃は信玄の所領となったのです。(ちょっと勉強しました)
この川中島を冠した「川中島納豆」!が、今日最初にお伺いする増屋納豆店さんです。

増屋納豆店さんの西條伸安社長さんは、長野県納豆事業協同組合の理事長さんでもいらっしゃいます。今日はまず、長野県の納豆についてお伺いしてみましょう。

莉緒:長野県も全国納豆鑑評会での受賞メーカーが3社となって、納豆強国になりつつある感がありますね。
西條さん:そうですね。長野県は全国納豆鑑評会では、平成11年に村田さんが古今納豆で小粒部門で総合食料局長賞を受賞。平成12年に私どもの川中島納豆が農林水産大臣賞。平成15年の地元長野での鑑評会では阿部納豆店さんが長野県知事賞を受賞と、皆さん力をつけてきている感じがしますね。

莉緒:長野県は味噌や高野豆腐が一般的にも良く知られていますが、納豆もこれに続いていくといいですね。
西條さん:そうなんです。味噌や高野豆腐では全国的に有名ですが、納豆は知名度がほとんどなく、やはり水戸の納豆というのが納豆の代名詞になっていますが、長野もそれに負けじと頑張っていたところ、このように3社受賞するようにみんなが力をつけてきたんです。


莉緒:納豆作りに関して皆さんどんなことに気を配られているのでしょうか。
西條さん:長野は四季がはっきりしているんです。そのため、大豆の発酵条件である気温の変化がかなりあるんですよ。保湿、保温などにもきちんとこだわると、とてもいい納豆作りができる条件が揃っているんです。もちろん機械任せにしていても本当のいい納豆は作れないので、常に高い品質を保つために各社研究努力してノウハウを蓄積し、品質の良い納豆作りに生かしているのですよ。

莉緒:今後は長野県の理事長さんとして、長野県の納豆業界をどのように引っ張っていこうとお考えですか?
西條さん:長野はいい大豆がたくさんできるので、その地元の大豆を使ったいい納豆を皆さんに召し上がっていただきたいと思いますね。代表的な品種には「ナカセンナリ」というのがあって、豆そのものがおいしく甘味も風味も豊かですが、納豆にするのは難しいのです。特別に技術を持たないと納豆にするのは難しい品種と言われていまが、みんなで力を合わせて、長野の納豆は素晴らしいと言われるように頑張っていきたいと思っています。


写真左:莉緒が持っているのは出来上がったばかりの煮大豆。甘くて香ばしくておいしかった。写真右:室(ムロ)の温度制御版、コンピュータで温度が制御できます。

莉緒:平成12年度の全国納豆鑑評会では農林水産大臣賞を見事に射止められましたね。
西條さん:1999年の鑑評会から参加して、2001年に最優秀賞の農林水産大臣賞を受賞したわけですから、運が良かったというかそんなに早く受賞するとは思いませんでした。

莉緒:いえいえ、それは実力あってのこと、素晴らしい納豆だったからですよ。
西條さん:私は作るのが難しくても大豆の特徴をしっかりと生かした大粒の納豆を作るのが醍醐味だと思っています。納豆作りは単純だけれど、すごく奥が深いんです。「川中島納豆」はうちで作っている他の納豆より数段難しかった。ここに行き着くまで試行錯誤の繰り返しでしたね。


写真左:冷蔵庫の中で。西條さんが持っているのが川中島納豆。莉緒が持っているのは長野県産すずこまちを使った「昔むかし」。写真右:農林水産大臣賞の賞状と盾。

莉緒:納豆工場が大豆の香りがいっぱいで、とてもいいにおいですね。納豆作りにはどのようなこだわりをお持ちですか?
西條さん:現在の日本の主流の納豆は小粒なんですが、私はあえて大粒の大豆を使っています。味や風味が小粒と全然違うからなんです。 大粒の大豆を納豆にするのは難しいですが、それを敢えてするのは職人としてのこだわりでしょうか。
それに、納豆につけるたれにも気を使ってるんです。最近の若い人達は、甘味だけですぐにおいしいと思ってしまう傾向があるんですね。でも私は、酸味や苦味も含めて本来のおいしさを感じるものだと思うんです。なので、私が作っているたれは、通常のものよりも甘味がなくしょっぱさを強くしてあるんです。
出来が完璧でない納豆も、ちょっと甘いたれの味だけでそれなりにおいしく食べられるんです。だからこそ、たれにごまかされない大豆本来の味のする、個性のある納豆の味を追求しているのです。

莉緒:農林水産大臣賞を受賞なされて、何か納豆作りに変化はありましたか?
西條さん:納豆作り自体には、変化はありませんよ。でも受賞後、納豆の注文が急増しました。それは、より多くの人達に私が作った納豆を食べてもらえるようになったということなのでとても嬉しく思っています。 これからも変わらず、大豆本来の味を生かした納豆作りをしていきたいですね。


●感想
雪の舞う信州長野。とても寒い日でした。今日は私にとって初めての納豆工場見学。鑑評会受賞メーカーさん3社を一日で回るという強行軍です!
納豆工場って、もっと納豆の匂いがするのかと思っていました、以外にも甘い香りがふわっと充満していて、これがとっても心地いいんです。西条さんに聞きましたら、納豆にする前の煮大豆の香りだそうです。2〜3粒いただきましたが、味付けをしていないのにとっても深い味わいで驚きました。だから、おいしい納豆になるのですね。

西條さんは、長野県納豆組合の理事長さん。納豆業界のために、長野県のために、日々ご尽力されています。やわらかい表情でいろいろと親切に教えてくださいました。63歳というお年ながら、エネルギッシュに仕事をこなされているのは、和道流空手四段、吟道七段の腕前の基礎がおありだからなのでしょうね。これからも素晴らしい納豆作りを期待しています!
後半は村田商店さんと、阿部納豆店さんです。


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