−納豆は、食を彩る 主人公− >


第21回気仙沼大会《ダイジェスト版》
宮城県気仙沼市に194点が大集結。
第21回審査結果
日本一は愛知県の山下食品さん。

No90 20th鑑評会当日。早食い大会、納豆食堂、ねば〜る君!
No89 20th鑑評会前日。偕楽園に水戸黄門像。納豆記念碑にねばり丼。
No70 世界最小の納豆屋
毎日12個は至高の12個

No.164 ショートケーキ風ミニタルト
カラフルで可愛く出来ました☆
No.133 生ハムと黒豆のカナッペ
黒豆納豆が見事にマッチ!
No.117 シュー納豆
ブルーベリーと黒豆が絶妙☆













第10回全国納豆鑑評会 福島大会
2005年2月18日
受賞者インタビュー

レポーター:桜井由佳(納豆文化村)

今回の福島大会では125点ものたくさんの商品から、選りすぐりの納豆が受賞されました!審査員の皆さんも今年は審査が難しいほどどれも良く出来ているとのことでした。納豆製造技術が向上しているとともに、みなさんの日々の努力の賜物なのでしょうね。それほど美味しい納豆について、受賞された方々に製造の秘訣や使用されている大豆についてなど色々とお話をお伺いしました。

北海道産小粒大豆 農林水産大臣賞
有限会社阿部納豆店/『北海道小粒大豆』→
会場インタビュー:専務取締役 阿部久雄さん

由佳:一昨年に続いて2回目の受賞、しかも今回は日本一の農林水産大臣賞ですね!まことにおめでとうございます!

阿部さん:とにかくうれしくて驚いています。ある程度の点数が取れそうだとは思っていましたが、実感がないです。

由佳:今回出展された「北海道小粒大豆」の特徴はどんなところでしょうか。

阿部さん:この納豆のこだわりは、やわらかすぎない弾力性のある食感です。今回受賞につながったのは自分が噛んだ時の理想の状態に仕上げられたことです。以前はもっと柔らかくしていたのですが、去年の納豆よりもっちり感のある弾力を出しました。
由佳:平成14年度、第8回の長野大会の時に県知事賞を受賞されて今回は農林水産大臣賞。受賞する秘訣って何かありますか?

阿部さん:鑑評会に向けて以前はいろいろなことをやりました。原料の大豆、水、発酵・・。いろいろ試してやってみましたが、結局今回のように普段のまま自然体で大きくはずれることなく出展したのが一番いいのかも知れません。

由佳:今回のエントリー作品に「北海道小粒大豆」を選ばれた理由は何ですか?

阿部さん:この商品を選んだポイントは、それなりに満足の出来になったからです。どういうものがおいしいのか組合で情報交換をしたりするのですが、自分なりの理想に、おいしいという状態に仕上がったからです。今後は継続して皆さんに選んでいただける美味しい納豆を作りたいと思います。流通については通信販売なども考えています。

有機納豆 農林水産省総合食料局長賞(小粒・極小粒部門)
くめ・クオリティ・プロダクツ株式会社/『有機納豆』→
電話インタビュー:代表取締役 石塚昇一郎さん

由佳:第5回水戸大会に続いて2回目の受賞となりました。おめでとうございます。

石塚さん:うれしいです。ありがとうございます。

由佳:今回受賞されたのは「有機納豆」ということですが。

石塚さん:有機栽培大豆を使用しています。有機栽培は味よりも、自然・健康・安全という先行イメージがありますが、この納豆はより本物志向を追求しており、表面の色や糸引きがきれいに仕上がっていてたいへん美味しいのです。

由佳:中国産の大豆を使われているそうですね。

石塚さん:そうなんです。中国東北地方産の有機栽培大豆を使用しています。甘味があって、色が白く、作りやすい大豆なんですよ。色が白いとよりおいしそうに見えるし、出来上がりもいいんです。熟成までの醗酵室の温度は39〜40度で18時間。その後発酵を止めるために、1時間半で35度まで温度を下げています。

由佳:他の商品も中国産大豆を使用しているのですか?

石塚さん:この商品だけ中国産有機大豆を使っているんですよ。他の商品は国産やアメリカ産大豆を使用しています。中国産大豆は極小よりも少しだけ大きいという特徴があります。

だいもんじ大粒 農林水産省総合食料局長賞(中粒・大粒部門)
有限会社だいもんじ食品/『だいもんじ大粒』→
会場インタビュー:専務取締役 斎藤伸一さん

由佳:受賞おめでとうございます。第1回目で最優秀賞、第10回という節目の大会で農林水産省総合食料局長賞を受賞されて2回目の受賞となりましたね。

斎藤さん:ありがとうございます。うれしいのひとことですね。第1回目の受賞をまぐれだろうと思っていたので今回も受賞できて非常にうれしいです。

由佳:「だいもんじ大粒」の特徴は何ですか?

斎藤さん:大粒なので味わいが深く食べごたえがあります。納豆をそのまま味わえるので、お酒のおつまみなどにもできますよ。

由佳:納豆をつくる上で気をつけられている点は?

斎藤さん:原料の大豆選びに気を使います。北海道の大粒は味が深いため丁寧に作ればとてもおいしく仕上がります。基本は利益のために手間を省いたりせずとにかく丁寧に真面目に納豆作りをすることです。いつまでもみんなに支持されるおいしい納豆を作っていきたいですね。

由佳:最近はやわらかい納豆が多いようですが。

斎藤さん:納豆の硬さには好みがありますが、柔らかすぎないように気をつけています。大粒ならではの食べごたえを大事にしたいですからね。

子鹿納豆 厚生労働省医薬食品局食品安全部長賞(小粒・極小粒部門)
株式会社しか屋/『子鹿納豆』→
電話インタビュー:代表取締役 宮之原正治さん

由佳:この度は厚生労働省医薬食品局食品安全部長賞の受賞、おめでとうございました。

宮之原さん:いやあ、とにかく嬉しいです!お陰様で一生懸命頑張ったかいがありました。

由佳:受賞されるまでいろいろとご苦労があったと思います。

宮之原さん:大手のメーカーがたくさん進出している中で、こだわりの納豆として認めてもらいたかったという気持ちが強かったですね。原料大豆は中国産の小粒大豆を使用しています。味が良く供給も安定しているからです。白くやわらかく芯まで熱が通るようにしっかりと仕上げるように心がけています。蒸し時間や発酵時間などについては、先生にご指導いただきながら研究してきました。品質を一番に考え、おいしく作るには時間とコストがかかりますが、大手メーカーの安売り競争に巻き込まれないように地道にやっていきたいですね。

由佳:子鹿納豆って名前が珍しいですね。

宮之原さん:子鹿納豆は我が社で一番最初に作られた商品で、会社名のしか屋から名前をとってつけた商品なんです。もともと父がしか屋という酒屋を経営してまして、私がその名前を受け継ぎました。鹿が好きなんですよ。

由佳:昔からこのパックで販売していたんですか?

宮之原さん:昔はわら、次に薄板、そして現在のパックに至りました。今は40〜50グラムで3パックが主流ですが、昔は100グラム1パックで販売していたんですよ。

山形の地豆納豆 厚生労働省医薬食品局食品安全部長賞(中粒・大粒部門)
合資会社丸亀八百清商店/『山形の地豆納豆』→
電話インタビュー:代表取締役 高橋清晴さん

由佳:第8回長野大会に続いて、今回は厚生労働省医薬食品局食品安全部長賞の受賞、おめでとうございました。

高橋さん:突然のことで驚いています。納豆の品質には自信がありましたがまさか選ばれるとは思わなかったです。

由佳:山形の地豆納豆の特徴はどんなところにありますか?

高橋さん:小粒が主流なのに対して、大粒の山形県産タチユタカを使用しています。タチユタカは納豆に向いていてやわらかく、大豆がくずれないでおいしく仕上がるんです。

由佳:納豆を製造する上での工夫点はありますか?

高橋さん:そうですね、醗酵室かな。醗酵室に石を使うと外気の影響を受けやすく、夏・冬の管理が難しいのですが、昔ながらの石造り(石室)の醗酵室でやっています。酸素を常に取り入れてる状態のためおいしく仕上がるんです。

由佳:こだわりの製造なんですね。

高橋さん:そうなんですよ。しかし大量生産ができないので、量が限られてくるんです。ですからこれからは直売という形で個人に対する地方発送を考えています。

受賞された方々の話を伺ってみると、様々な努力と工夫があり、とても感激しました。時間とコストはかかるけれど、手間を省いたりせずに納豆作りをする。その心が大切なんですね。後半は、東北農政局長賞、福島県知事賞、全国農業協同組合連合会長賞、全国納豆協同組合連合会長賞、納親会長賞を受賞された方々にインタビューしていきたいと思います。
納豆文化村:桜井由佳

鑑評会レポート 受賞者インタビュー2


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