−納豆は、食を彩る 主人公− >


第21回気仙沼大会《ダイジェスト版》
宮城県気仙沼市に194点が大集結。
第21回審査結果
日本一は愛知県の山下食品さん。

No90 20th鑑評会当日。早食い大会、納豆食堂、ねば〜る君!
No89 20th鑑評会前日。偕楽園に水戸黄門像。納豆記念碑にねばり丼。
No70 世界最小の納豆屋
毎日12個は至高の12個

No.164 ショートケーキ風ミニタルト
カラフルで可愛く出来ました☆
No.133 生ハムと黒豆のカナッペ
黒豆納豆が見事にマッチ!
No.117 シュー納豆
ブルーベリーと黒豆が絶妙☆













藤本香織 第12回全国納豆鑑評会 平成19年2月23日
山形県山形市 オーヌマホテル
レポーター:藤本香織(納豆文化村)

鑑評会会場雪深い山形という印象からは程遠い暖かさ。とても山形の2月とは思えません。全国的に暖冬なんですね。雪が壁のように積もっているのを予想して来ましたが、市内にに雪はほとんどありません!
午前7時過ぎ鑑評会場の「オーヌマホテル」に到着。鑑評会は4階「高砂の間」です。ちょっと覗いてみると、緊張の中委員の方々がすでに準備を始められています。

替えの水や皿、お箸 審査風景 ■いよいよ始まります■

紙皿には右が表、左が裏になるように納豆が乗せられます。そして納豆が乾燥しないように、紙皿でふたをします。 会場をより明るくするために一旦はカーテンを開けましたが、会場の場所により光の加減が変わってきてしまうのですぐ閉めることになりました。同一条件にする心配りはさすがです。納豆は気温や乾燥などにより変化しやすいので、会場の準備にはいきとどいた注意が必要なんですね。

会場には審査員のための口をゆすぐ水や替えのお箸、お皿、フキンなどが用意されています。今回から審査方法が変わり、審査員の先生方は118点のすべての納豆を審査します。ちょっとづつ食べても、大変な量になるわけです。だから、水やお箸お皿は必需品ですね。

最初に会場に並べられるのは小粒・極小粒部門。59種類の納豆が2グループ並べられました。合計118種類の納豆が並ぶと壮観です! 大粒部門は小粒・極小粒部門が終わってから、あらためて大粒ばかりを並べて審査するようです。

審査員の先生方が2グループに分かれて審査が始まりました。会場は静まり返り、緊張感で溢れます。厳正な審査が続く中、マスコミのカメラのシャッター音だけが耳に入ります。展示されている納豆は、うすい色から濃い色までさまざま。展示用の納豆を並べます。私は審査員でないので食べられませんが、味も様々なのだろうなー。ちょっとお腹が減ってきました。

小粒が終わったら大粒の審査が始まります。 鑑評会場の外では全国から集められた展示用の納豆が所狭しと並んでいます。北から南の順に納豆が並べられています。見たこともないパーケージがたくさん!たかがパッケージと言わないでください。10cm四角くらいのパッケージ中にいろいろなデザイン・主張があって、見飽きないですよ!とっても楽しいんですから! 7時50分ごろ続々と人が集まり始めました。 並べるのも終了です。

●マスコミ向け説明会●
予定通り、8時からマスコミ向け説明会の開始です。

今回の出展は118点。なんと、小粒・極小粒部門、大粒・中粒部門ちょうど同数の59点づつだそうです。出展の主な内訳は、地元 山形県11点。 茨城県14点。東京や北海道の出展も多いようです。 昨年の静岡熱海大会の出展は116点でした。 来年の開催予定地は北陸、石川県金沢市が有力です。

タイムスケジュールについて説明がありました。
・8時30分〜第一部審査開始。第一部は小粒・極小粒部門の審査です。
・10時10分〜第二部審査開始。第二部は大粒・中粒部門の審査です。
・同点の場合は最終審査があり、その後集計作業に入ります。
・13時〜いよいよ審査結果の発表。今年の日本一の納豆が決まります!

宮ノ原さん ●司会・進行/宮ノ原さん
青年同友会メンバー、鹿児島のしか屋さんの宮ノ原さんが司会進行です。 声が通って見事な司会ぶりです。この全国納豆鑑評会は納豆の製造技術の改善と品質の向上を目指し、衛生的で美味しい納豆を提供するとともに、国民の健康増進に関与することを目的としています。

相沢さん ●鑑評会実行委員長/相沢さん
青年同友会の委員長であり、相沢食産の社長さんでもある相沢さん。今年が実行委員長として初めての鑑評会です。堂々していて緊張は全く感じられません。鑑評会の概要やタイムスケジュールについての説明、マスコミの方からの質問に答えます。


野呂さん ●PR担当/野呂さん
鎌倉市の野呂食品・鎌倉山納豆の社長さん。前青年同友会の委員長で、鑑評会実行委員長を3回務められました。今回の鑑評会はPR委員長としてのいろいろな役目を果たされます。


●質疑応答
・なぜ今回山形で開催されたのでしょうか?
1回目は東京で開催され、全国立ち回りでやっています。 地域によって納豆は若干の違いがあります。 今回は山形県の方から声がかかったので、山形での開催が実現されました。

・納豆の評価項目にある良い色とはどのような色なのでしょうか?
色は一般的には、あめ色がいいとされていますが、これは各社製造法によります。 審査員の主観に任せており、おいしいと思ったものに良い点数をつけてもらっています。 組合からは基準を言っていません。

●出展要領
・出展者は全国納豆共同組合連合加入組合員とする。
・出品は審査日に市販されている納豆とする。
・納豆は1企業1点とし、自社生産、自社ブランドとする。
などがあります。

●審査方法
<今年の審査方法の変更点> 今回は審査方法が変わり、審査員全員が大粒・中粒部門、小粒・極小粒部門両方すべての納豆を審査します。 審査は1回のみ。同点だった場合のみ昨年と同じように最終的に4、5人で審査し、決定します。 審査方法を変更したことにより集計にも時間がかからず、効率がよくなると考えられます。

●評価方法
色・形・香り・糸引き・味の5つの項目を評価し、5点満点の整数で出展納豆それぞれに点数をつけて審査されます。 審査員全員の審査店の合計点105点満点で受賞納豆が決定されます。

●審査員
審査員数21名
主な審査員は・・・須見洋行先生(倉敷芸術科学大学 教授)・早田邦康先生(自治医科大学 医師)・永山久夫先生(食文化研究家)・阿部利徳先生(山形大学農学部 教授)・上野和子さん(山形県栄養士会 会長)他


●小粒・極小粒部門審査●
小粒・極小粒部門審査 8時25分ころ白衣を着た審査員の方々が会場に入っていきます。 マスコミは8時40分から入ることができることになっているので、香織は会場の外で少し待機です。

8時40分になりました。会場に入ると納豆のいい香りがふわっと広がっています。取材陣も多く、それぞれメモを取ったり撮影をしています。 会場内は暖房も冷房も入れていない普通の状態。なので、スーツだと少し寒いかな、と感じる程度です。

審査員の方々は黙々と審査を続けます。静粛な会場内。 審査員の方々は納豆の匂いを嗅いだりいろいろな角度から見たり、混ぜたり、伸ばしたりとそれぞれの審査の仕方で評価しています。手に持っている採点表に点数を書き入れていきます。第一部では59種類の納豆を審査するのですから審査員の方は大変ですね。


審査を終えて会場から出てくる審査員の方にお話を伺いました。

笹沼会長 ●笹沼会長
去年と同じくらいな感じです。色は少しばらつきがあったかな。薄めが多かったけど、濃いのもあったね。豆の味がして、甘みのあるものが多かった。柔らかめが多いね。
須見先生 ●須見先生
全部食べるのが大変でした。良いものが多かったです。審査では見た目も重視しています。短時間で色が変わるので最初に色を見るために全て回ります。そのあとも何度も回り審査しています。
永山先生 ●永山先生
ネバネバが強かった。旨味が強いものが多かったです。寒いときのほうが納豆がおいしいね。水を飲むとネバネバで味が逆に分からなくなってしまうよ。
長谷川先生 ●長谷川先生
バラつきがありました。あっさり目が多かったですね。すごくおいしいっていうのはなかったなぁ。今回の審査方法はやりやすいんじゃないかな。予定より早く、1時間くらいで終わったしね。
吉良さん ●吉良さん
去年と同じくらいの感じですね。匂いでだいだいわかります。審査方法が変わったが、こっちはこっちでやりやすい。自分の所の納豆はすぐにわかりました。どういう納豆が好まれるか分からないから、難しいね。
石塚さん ●石塚さん
半分くらいがやわらかすぎて、水っぽかったね。色のバラツキも結構ありました。硬さが気になるね。1粒2粒くらいしか食べないから、実際たくさん食べたときよりやわらかく感じるのかも。
鈴木さん ●鈴木さん
全体的に良かったんじゃないかな。ひきわり、藁、経木などバラエティに富んでいたと思います。小粒でも100グラム以上ある量の多いものもありました。
岡崎さん ●岡崎さん
いい材料が多いですね。大豆の出来がとてもいいです。色の違いはあったけど、藁だと黒くなるし、容器によってかわるからね。どれが良いとは言えませんね。


9時半過ぎ、全ての審査員のかたの審査が終了しました。続いて第二部は大粒・中粒部門です。第一部の小粒・極小粒簿門の納豆を全部片付けて、大粒・中粒部門の準備が始まります。


●大粒・中粒部門審査●
大粒・中粒部門審査
小粒から大粒の納豆に入れ替わった会場で予定時刻の10時10分より12〜13分ほど早く大粒・中粒部門の審査が始まりました。
進行がかなりスムーズに進んでいるようです。

全ての審査が終了しました。審査員の方々に、大粒・中粒部門の感想をお伺いしました。

笹沼会長 ●笹沼会長
見た目が良かったです。食べても味がしっかりしています。程よい歯ごたえもありました。去年よりずっといいですよ。小粒より良い点数が多かったね。
須見先生 ●須見先生
どれもおいしかったですが、区別しやすかったです。すごく良い納豆が多かったですね。何点かは満点もつけましたよ。ユニークなのがいくつかありましたね。
永山先生 ●永山先生
大粒は粘りが強くなる。粘りに大豆の旨味がMIXしておいしい納豆に仕上がったものが多かったです。今年は納豆食べるのが楽しみな年ですね。もう口の中ネバネバですよ。
長谷川先生 ●長谷川先生
小粒より差がないですね。良いのが多いです。でも旨味が少ないかな。すごくいいと思うものもありました。柔らかくするすると入っていく感じ。濃い色のものがいつもより多かったですよ。
吉良さん ●吉良さん
大粒のほうがいいものが多いですね。とてもよく出来ています。でも少し菌体が流れているものも多かったな。少し古いんですよ。うちも会場に届くまでにに4日かかりました。
早田先生 ●早田先生
出来がよかったです。審査が難しい。今回の審査方法はたくさんの審査員でひとつの納豆を審査出来て良いと思います。好みも分かるしね。いい香りの納豆が多いが味と一致しない。それが難しいですね。


●結果発表●
予定通り13時から「出雲の間」で笹沼会長による審査結果の発表です。
緊張の一瞬です!会場が静まり返ります…。

農林水産大臣賞/大粒白糸納豆 ●農林水産大臣賞
「大粒白糸納豆」/(有)鈴木食品工業(新潟県)

●農林水産省総合食料局長賞(小粒・極小粒部門)
「北海道産ゆきしずか」/坂田醗酵食品梶i北海道)

●農林水産省総合食料局長賞(大粒・中粒部門)
「いちずに納豆 大粒」/(有)高丸食品(愛知県)

●厚生労働省医薬食品局食品安全部長賞(小粒・極小粒部門)
「元気納豆だしかけ納豆」/マルキン食品梶i熊本県)

●厚生労働省医薬食品局食品安全部長賞(大粒・中粒部門)
「おらが街納豆」/内藤食品工業梶i北海道)

●全国農業協同組合連合会長賞(小粒・極小粒部門)
「江戸東京国産」/兜ロ谷納豆(東京都)

●全国農業協同組合連合会長賞(大粒・中粒部門)
「大粒」/ひげた食品梶i茨城県)

●全国納豆協同組合連合会長賞(小粒・極小粒部門)
「北海小粒」/鰍ケんだい(山梨県)

●納親会会長賞(大粒・中粒部門)
「雪誉」/潟Iーサト(茨城県)

●山形県知事賞
「はと印 カップ納豆」/(有)矢萩食品(山形県)

受賞各社は受賞納豆に正式賞名、受賞年月日を5年間表示することが出来ます。

(受賞された皆様方のインタビューは受賞者インタビュー1と2に掲載しています。)


審査結果発表の様子 審査結果発表後は隣の高砂の間で一般開放。 受賞納豆を撮影、試食することが出来ます。いろいろな納豆を食べ比べできる機会はなかなかないので、とっても嬉しいですね。
←審査結果発表の様子です。
出品納豆のお土産も、もらえます。もちろん香織もしっかりいただきました。そのへんは抜け目なし!!

鑑評会を支えた委員の皆様方

↑鑑評会を支えた委員の皆様方

■鑑評会を振り返って■


昨年の熱海大会に続いて2度目の鑑評会の取材をさせていただきました。前回の鑑評会で流れや雰囲気を感じることができたので、今年はより細かいところにも気付く事ができ、とても楽しむことができました。香織も成長できたなぁと自分で褒めたいと思います。(笑)

今回の鑑評会も、前夜祭から参加させていただき、みなさんの鑑評会に対する強い思いを感じて、少しでも鑑評会の素晴らしい雰囲気を伝えたいと香織も熱い気持ちで取材をしてきました。納豆と共に鑑評会も昨年よりレベルアップしているのを感じました。見事受賞を果たされた方々に喜びの声を伺った「受賞者インタビュー」や、枝里菜ちゃんの「「気まぐれ絵日記」で、より鑑評会の雰囲気を感じてもらえたらなぁと思います。準備段階から前夜祭の楽しい和やかな場面なども写真を交えて取材しています。

この全国納豆鑑評会を通して、少しでも美味しい納豆を作るために努力を続けている納豆メーカーの方たちを知ってもらいたいなぁ。みなさん、本当にお疲れさまでした。来年も、全国納豆鑑評会を楽しみにしています。香織もこのレポートを通して、微力ながら納豆業界の発展に貢献できたらうれしいなと思っています。

納豆文化村:藤本香織
受賞者インタビュー1 受賞者インタビュー2


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